甲子園出場をかけた高校野球夏の鹿児島大会決勝が7月23日に行われ、劇的なサヨナラゲームで神村学園が優勝を果たしました。
73校64チームが出場した105回目の夏の鹿児島大会決勝に勝ち上がったのは、4年ぶり6回目の優勝を狙う神村学園と、9年ぶり2度目の頂点を目指す鹿屋中央。過去に2度(2014・19年)決勝で対戦しており、3度目の顔合わせとなりました。
試合はいきなり動きます。1回ウラ、神村の3番・秋元がライトスタンドへのソロホームラン。
神村が先制しますが、続く2回表に鹿屋中央は松原のタイムリー2ベースで、すぐさま同点に追いつきます。
その後、互いに一歩も引かない接戦となり4対4の同点で9回が終了。決着がつかず延長戦に。夏の大会の決勝では「初」となる、ノーアウト2塁1塁から始まる「タイブレーク」に突入します。
10回表。鹿屋中央は、神村の2番手・黒木の前に3番4番と連続三振で2アウト。それでも、続く5番の郡山のライト線に落ちるヒットで5対4。鹿屋中央が1点を勝ち越します。
追いつきたい神村はそのウラ、四球で満塁とすると4番の正林がライト前ヒット。3塁ランナーが帰り同点となるも、サヨナラの2塁ランナーは3塁を回りましたが、ライト大谷の好返球でホームタッチアウト。なおも1アウト2・1塁のサヨナラのチャンスが続く神村。
ここで、この日ノーヒットの岩下が打席に入ります。「最後は、自分が決めようではなくて、仲間のためにつなごうという思いで立った。それがバットにこもった」と振り返る一打は、インコースの速球をはじき返し、ライトスタンドに。延長までもつれる大熱戦は、劇的なサヨナラ3ランで試合終了。
神村学園が4年ぶり6回目の優勝を果たしました。
試合後、サヨナラホームランを放った2年の岩下選手は「鴨池から甲子園に変わっても、自分たちのやるべきことをやって、甲子園でどんどん勝ち進んで優勝してきます」と笑顔で話しました。
また、気迫あふれる闘志でチームを引っ張った今岡主将は「全国から日本一を目指すチームが甲子園にやってくる。必ず鹿児島に日本一の優勝旗を持って帰ってこれるように頑張る」と泥だらけのユニホームで強く語りました。
全国高校野球選手権大会「夏の甲子園」は、8月3日に組み合わせ抽選が行われ、6日に開幕します。