鹿児島市のショーパブで発生したクラスターを中心に、今月に入り急増している新型コロナの感染者。一方で、鹿児島県内では、クラスター関連以外の感染者も増加しています。専門家は、人の移動が活発化すれば感染はさらに拡大するおそれもあると警鐘を鳴らします。
今月に入り、県内では新型コロナウイルス感染者が12日までに134人確認されています。このうち、ショーパブのクラスター関連以外の感染者は24人で、市町村別で見ると鹿児島市が17人、指宿市が5人、姶良市と志布志市がそれぞれ1人となっていて、このうち18人は、県外への移動や県外から来た人との接触歴が確認されていません。
このような感染経路が特定できていないケースは先月まで1例だけでしたが、今月に入り、急増しています。
感染経路が特定できていないケースが増えていることに、感染症が専門の済生会鹿児島病院の久保園高明院長は。
(久保園院長)「危惧すべきこと、要注意なことだと思う。まばらに感染者がいて、その一部がこういう形で現れている可能性がある。
把握できない感染者が広がっている可能性が高く、注意を要することだと思う」
感染経路が特定されていないケースが、増加している中、県は「感染状況については調査中」などとしていますが、久保園院長は今後、人の移動が活発化すれば感染はさらに拡大するおそれもあると警鐘を鳴らします。
(久保園院長)「東京で(感染者が)あれだけ増えていれば、鹿児島にも感染者が知らず知らずのうちに入ってきて、少しずつ増えていくのが自然の流れ」
今月に入り、連日確認される新型コロナウイルス感染者。患者数が増えることで今後、院内感染に対する危機感を募らせます。
(久保園院長)「ショーパブ関連のクラスターは段々、収束していく。そこから新たなクラスターが発生しなければ、いったん収まった後、また少しずつ(感染者が)増えてくる状態になる。
しばらくして、この次にどういう事が起こるかというと、国内の例を見てみると、院内感染が起きるフェーズになってくる。それを病院内で十分に気を付けている」
院内感染が発生し、医療崩壊を引き起こさないためにも、手洗いやマスク着用など、ひとりひとりが感染予防に対する意識を高めることが求められています。