「年末年始の食事」
一足早くお正月休みをいただき、奥州仙台に帰省していました。
12月の宮城県仙台市は雪がちらつき、
仙台市の中心部にある定禅寺通りにはイルミネーション「光のページェント」も点灯していました。
故郷の冬、故郷の年末年始の風景といった感じでした。
地元のものもいただき、母と一緒に買い物にも出かけました。店には年末年始用の食材も並び、
懐かしいなと思っていましたが、仙台ではこの時期たくさん見かける「ナメタガレイ」を鹿児島ではあまり見ないことに気が付きました。
今回の山口プロモーションでは年末年始に食べるもの地域によって違いがあるのか調べてみました。
年末の食事
<年取り魚>
大晦日の年越しの膳に白飯とともにつける塩鮭・塩鰤など、地方によって異なるのがこの年取り魚=正月魚。関東はサケ、関西はブリを年取り魚として食べるようです。境界は長野県にあり東側の長野市では鮭、西側の松本市では鰤となっています。これらの魚は冷蔵冷凍技術のなかったころ塩蔵処理が施された大きな魚として、正月の期間を食べつなぐ冬季の保存食の意味も持っていました。海の近くの地域以外では新鮮な魚を食べるというのが珍しかったのですね。栄えるという言葉に通じる鮭、出世魚の鰤が今でも各地で大晦日に食べられています。青森県の一部の地域ではタラが食べられていたり、三陸ではナメタガレイなど地域によって、独自の魚が年取り魚となっています。
<年越しそば>
細く長く家運、寿命を伸ばす、切れやすいそばを食べ苦労や不運を絶つといった理由から、大晦日に食べることが一般化したと言われる年越しそば。食べ方にも地域性があり、東日本では「つけそば」、西日本では「かけそば」が多いようです。北海道の年越しそば定番は「にしんそば」=関東風の濃い口しょうゆのかけそばににしんの甘露煮をのせたもの。岩手県の定番は有名な「わんこそば」これはお店に食べに行くようですよ。福井県では大根おろし濃いつゆを、そばと鰹節とネギをたっぷり盛った器かけて食べる「越前そば」を、沖縄県では小麦粉でできた麺と豚骨やかつお節ダシの「沖縄そば」を食べます。
年始の食事
<お雑煮>
東日本のお雑煮の原点は「江戸雑煮」。家が支配した東日本では「敵をのす」の縁起から、のしもちを切った角もちを焼いて使うことが多く汁は「みそをつける」といってみそ仕立てを嫌い、かつおだしのすまし汁にし、具は鶏肉、大根、三つ葉などです。
西日本のお雑煮の原点は「京都雑煮」。京都では昆布だしで丸もちをやわらかく煮、
白みそで仕立てることが多く具は里芋や大根。「人の頭になるように」とかしら芋入れることもあります。雑煮は京生まれですが、もともとはみそのすまし汁で味つけをしていました。
仙台のお雑煮は「きはぜ雑煮」きはぜでとっただしで凍豆腐、ずいき、凍ごぼう、大根、にんじんを煮、焼いた角もちと焼きはぜ、せり、いくらなどをトッピングしたものです。お椀から飛び出すほど大きなはぜを使うのは、ハレのご馳走のしるし。また、三つ葉ではなく仙台はセリをのせます。
香川県のお雑煮は白みその汁の中に「あん餅」が入っている「あん餅雑煮」です。白みそ
いりこだし、里芋、金時人参、大根、甘いあんこ餅であおさを振りかけて召し上がるそうです。
あん餅は粒あんでたっぷりあんこを入れるそうです。
香川県出身の岩﨑弘志アナウンサー曰く「白みそと甘いあんこ餅は合う!美味しい!」そうです。
<年明けうどん>
2009年からさぬきうどん振興協議会が新たな麺食行事の普及を目的として提唱しているもので「年明けに縁起を担いで食べるうどん」のことです。元旦から1月15日までに純白のうどんに、新春を祝う紅=梅干しや金時人参、えびの天ぷら、赤い蒲鉾をのせ食べるというものです。
このほかにも、あくまでも私の周り限定ですが、鹿児島の方は大晦日すき焼き、
宮城の方はお寿司を食べる人が多かったです。理由までは調べ切りませんでしたが、
お肉が美味しい鹿児島、お魚の美味しい宮城だからでしょうか?
大晦日、お正月に食べるものは同じお料理でも材料や味付けに違いがあることがわかりました。
今ではレシピをインターネットで簡単に調べることができるので、違う地域のお正月料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。