本坊酒造、屋久島伝承蔵の工場長、田中智彦さん。
屋久島伝承蔵は、屋久島で唯一手作りの甕仕込で、サツマイモを原料とした芋焼酎を製造している。昨年60年を迎えた。
田中さんは工場長として赴任して2年目になる。
新型コロナの影響で見学者が減少する中、屋久島の魅力や焼酎造りの様子をSNS などを通じて発信している。
島内で栽培しているサツマイモで白豊という品種がある。いまは、この植え付けであったり除草であったり、畑の手入れをしながら、9月の中頃の製造に向けて準備をしているところだ。製造現場から事務所、全員で携わって焼酎を造っている。
そうしてできた焼酎の原酒の一部は、屋久島の「地杉」で作った樽に入れて熟成させる。地元の製材所が「地杉」で作った杉樽に焼酎を貯蔵して、ほのかに杉の香る爽やかな焼酎となる。商品名は「屋久杉Yakushima Jisugi Cask Aging」だ。この焼酎は、2020年の ISC(インターナショナルスピリッツチャレンジ)で、最高賞を獲得した。
屋久島を代表する素材を活用した商品が、世界のコンペディションで評価されたということは、自分たちのもの作りに対する自信にも繋がっている。そして、屋久島の魅力も伝えることができたと感じている。
いま本坊酒造は、ウイスキーの取り組みにも力を入れている。長野県と鹿児島県の本土にあるウイスキー蒸溜所で製造されたウイスキーの一部を屋久島に運び、ウイスキーを熟成させいる。世界自然遺産の島の気候がウイスキーを熟成させる。
菓子企業のロッテとコラボして、屋久島で熟成したウイスキーをチョコレートに使用してもらった。
「YOIYO」という商品だ。パッケージも洒落ている。ポストカードをイメージして、屋久島の風景やウイスキーの写真が使われている。
屋久島に来て一番驚いたのが、屋久島の水の美味しさだという。豊かな水。そして、地元の人たちや移住してきた人たち、観光客など多くの人たちが自然の中で混ざり合っている~人材の豊かさを感じている。地域に支えられながら、自分のカラーを出していきたいと意欲満々だ。
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