徳之島の健康長寿の取り組みに関わったコミュニティデザイナーの山崎亮さんです。
Q.「コミュニティデザイナーはどんな仕事」
(山崎亮さん)「皆さんの町はこれからどうなったら良いと思うかとか、皆さんの人生はこれからどうなったら良いと思うかと、集まってもらって少人数で話し合う。」
山崎亮さん。愛知県生まれの46歳です。これまで建築や景観のデザインの仕事に携わり、現在は地域の課題を地域住民が解決するための取り組みをマネジメントする「コミュニティデザイナー」として活動しています。
今年2月にMBCが開催した地域の力や可能性について考えるシンポジウムで、山崎さんはふるさとが持つ力を訴えました。
(山崎亮さん)「都会でないと住んでいけないと思うことはやめた方が良い。(都会に)1回出たとしても本質がどこにあったか分かっていれば、ふるさとに戻って自分なりの満足・幸せの物差しで暮らしていこうと決めることができるのでは。」
全国のコミュニティデザインを手がける山崎さんは、徳之島の伊仙町で2017年度から健康長寿の取り組みを進めてきました。
(山崎亮さん)「より健康に生きてくれる若い人たちを増やしていかないといけない。コミュニティデザインの方法を使って地域の若い人たちに集まってもらい、話し合い、学んでもらい、日常生活を少しずつみんなで変えていき、変えたことを報告し合って学び合っていく場所。楽しみの中から健康増進をつくっていく。」
地域住民との話し合いを重ねる中で見えてきた健康長寿の1つの形は、楽しみながら人生を送ることでした。
(山崎亮さん)「闘牛を応援していることが私の健康長寿の秘けつと思い込みでも良いから、これが私の楽しみ、健康法と思って毎日続けていることの態度から学ぶこともある。本当のゴールは我々がいなくなった後もその人たちがその活動を新しく展開させたり充実させたり続けたりして実際に健康長寿だったと信じながら亡くなることがゴール。」
また、山崎さんは世界自然遺産の登録を目指す奄美では、自然の価値を保つための意識が求められると語ります。
(山崎亮さん)「観光客が来て足早にいろんな所を回ることも良い、お金を落としてくれれば良いと考えるかもしれないが、繰り返していたら、あちこちの自然が結果的に傷んでしまったということになると、皆さんが目的にしていた自然遺産の自然が価値を低め、奄美へ行こうと思う人たちの数が減ってしまうかもしれない。ここは守らないといけないという時間の過ごし方やルールや観光客の受け入れ方について1人でも多くの人が意識の上にのぼらせる。」