「名門復活へ!」 vol.2 京セラは20位・全日本実業団女子駅伝
宮城県・仙台路を舞台に駅伝女王を決める全日本実業団女子駅伝、通称「クイーンズ駅伝」。去年のトップ8と、今年10月に福岡で行われた予選会を勝ち抜いた14チームの、合わせて22チームが参加した大会に、鹿児島からは予選を勝ち抜いた京セラが出場し20位でした。
京セラは、1982年に鹿児島で発足し、荒木久美選手や山下佐知子選手(現:第一生命グループ監督)ら、オリンピアンや世界で通用するランナーを輩出し、この大会でも過去4度優勝経験のある名門です。
2000年に「選手確保」などを理由に一旦活動拠点を京都に移しましたが、おととし霧島市に戻り、活動を再スタートさせました。この再出発からチームを率いるのが、北京五輪マラソン代表の佐藤敦之監督と、アテネ五輪800m代表の妻・美保コーチです。
部員わずか2人からの再出発でしたが、この3年、佐藤監督と美保コーチは選手それぞれに丁寧な指導とケアを続けてきました。
そして、古瀬麻美キャプテン(創部当初からの唯一の選手)を中心に今年はメンバーが7人となり、6人で襷を繋ぐ予選会に何とか出場。
3位の好成績で全国大会への出場権を手にしていたのです。
直前には調子を整え切れないメンバーもいて、佐藤監督が「厳しい闘いになる」と覚悟して望んだレース。
第1区を任された足立選手が21位でタスキを渡すと、前がなかなか見えない戦いの中で、エース区間を任されたルーキーの藤本選手が区間15位の走りを見せるなど、今もてる力でタスキを繋ぎ切った京セラチーム。
結局、2時間22分34秒の20位。
トップからは7分26秒差、来年のシード権が与えられる8位(クイーンズ8)からは5分18秒差でのフィニッシュとなりました。
レース後、佐藤敦之監督は 「予想通り厳しい闘いになりました。万全のコンディションでなければ全国では戦えないことを選手も肌で感じました。強くなって仙台に帰ってこれるよう精進します。これこら上がっていく為の最高の経験ができました。」と話して下さいました。
レース後の選手たちの表情には、それぞれの「思い」が現れていて、その思いこそが「新生」京セラの挑戦を、より力強いものにしてくれると感じました。