アウェーサポにJ2を感ず。「熱況!ユナイテッド」取材コラム(1)
鹿児島ユナイテッドFCの「いま」を、お伝えしている「熱況!ユナイテッド」。
J2に昇格した2019シーズンは、取材担当アナウンサーの松木圭介が感じたことを、取材日記・コラムとして、ホームページ上でご紹介します。
2019シーズン・第3節。
うす曇りで冷たい風の吹く鴨池に、J1復帰を目指すヴァンフォーレ甲府を迎えた鹿児島ユナイテッドFC。選手たちが試合前アップをしているとき、バックスタンドからサポーターの応援が響いてきた。
「…新しいチャントかな?」
と思ったのは、甲府サポーターの声だった。
この日の観客数は4315人。甲府から駆けつけたサポーターはその10分の1以下…明らかに鹿児島サポーターより少ないのに、取材をしているピッチレベルに応援が響いてくる。鹿児島のサポーターも同時に応援しているのにも関わらずだ。
思わず目を向けて気付いた。少ない人数ではあるが、グッと近くに集まって、力強くリズムを刻みながら声を上げている。ひとりひとりの「サポーター暦」は違えど、J1・J2を行き来しているチームと同じく経験を積んだサポーターの姿がそこにあり、厳しい戦いといわれる「J2」というカテゴリーをサポーターから感じた瞬間だった。
その直後…。
「やっぱり、アウェーサポーターが違いますね。」
試合開始まで20分を切った記者室の前で、徳重剛球団代表に声を掛けられた。
その表情は、どこか嬉しそうだ。「声が響いてきますね!声が大きいだけではないですよね。どんな風にやってるんでしょうね?」
「サポーターの皆さんも、これを感じて、次にどうしよう?って考えたりするんでしょうね。」と、私も短く言葉を掛けながら、笑顔になっていた。
そう…目の前に広がっているのは、待ちに待っていた「J2」の舞台。
どんなに厳しい戦いになろうと、J2の舞台でなければ分からないことを感じ、吸収し、自分達のものにして行けばいい。そのスピードに遅いも早いもない…いまは、一歩一歩着実に。
【「悔しいです。」ミックスゾーンでの選手の短い言葉に、全てが詰っていた3月9日に。松木圭介】