地元の応援が、「支え」になる。
チームと地元の「距離」の近さを感じる試合だった。
9月24日(土)に霧島市で行われた日本ハンドボールリーグの試合。
霧島市を拠点に活動するソニーセミコンダクタマニュファクチャリングにとっては、今シーズンのホーム開幕戦。その試合の開場直後にコートサイドや観客席に陣取ったのは、地元の子供たちだった。
普段から、練習でソニーの選手が先生役を務めることもあるからか、子供たちは気軽に選手の名前を呼び、選手たちもそれに笑顔で応える。憧れの選手が応えてくれたことで子供たちは喜び、会場がやわらかい雰囲気に包まれていったのです。
そんな中で始まった北國銀行との試合。
ここ2シーズン負け無しで、今シーズンもまだ黒星のない「女王」と対戦するのは、大城章新監督が指揮をとる“新体制”のソニー。
前半立ち上がりは、守りを固めて互角の戦いを見せましたが、徐々にペースを握られると13連続得点を許し、前半だけで4対16と大差をつけられた。
ハーフタイムの大城監督の指示は、
「こんな試合をして、きょう会場に来て下さった方が、もう一度来たい、見たいと思うか?」
戦術的なことは勿論、応援してくれる地元の人たちのことを考えて、 良いハンドボール、試合を見せたい・・・。
そんな思いがチームを動かしていた。
明らかに雰囲気の変わった選手たちは、追い掛ける展開のなか、新旧の力の融合で得点を奪い、ピンチの場面では、新加入のGK・関澤が好セーブをみせます。
新加入選手がチームを勢いづけましたが点差を詰めることはできず、結局15対30で敗れホームゲームでの白星とはなりませんでした。
関澤選手は試合後に、「身近に応援して下さる方が居るのは、自分の心の支えになる。自分のプレーに大きく歓声を上げてくれるのが励みになる。だからこそ、勝ったところを見せたかった」と話してくれました。
普段の交流があるからこそ芽生えた感情。
それは、チームがより強くなるために必要なものだと感じた。