ジャパンタクシーでおもてなし!走るユニバーサルデザイン。
毎週金曜日は、社会福祉法人 鹿児島県身体障害者福祉協会 スポーツ情報課長で鹿児島県障害者スポーツ協会事務局長の前田 究さんのご出演。
今回取り上げたのは、南日本新聞2月25日付の南風録から『ジャパンタクシー』の話題。
東京オリンピック・パラリンピックを見据え、トヨタ自動車が導入したJPN TAXI(ジャパンタクシー)は、車いすのまま乗車することができるロンドンタクシー風の新型タクシー。車いす使用者や高齢者、妊娠中や子ども連れ・・・さまざまな人が多様な状況で利用しやすいユニバーサルデザインになっている。2020年には、東京のタクシーの25パーセントがユニバーサルデザインのタクシーになる予定だ。
実は前田さん、家族で2010年ロンドンパラリンピックの観戦に出かけた際、ロンドンタクシーに乗車したという。通常、車いすでタクシーを利用するときは、まず車内のシートに車いすから体を移し、車いすは折りたたんでトランクに積んでもらう。
一方ロンドンタクシーは、後部座席の床を反転させ車外に出すとスロープになり、車いすで乗車。
乗り込んだ状態で固定し、進行方向とは横向きのままという点が少し疲れたそうだが、車高が高く、ゆったりとしていて、車いすの前田さんと他の座席に3人、つまり家族4人スムーズに乗車でき、衝撃とともに感動したそうだ。日本にもこんなタクシーがあったらと期待していた前田さんにとって、ジャパンタクシーの導入は嬉しいニュースだ!
鹿児島では、3000台を超えるタクシーのうち、約20台のユニバーサルデザインタクシーが導入されていて、そのタクシー会社に前田さんが取材をしてくれた。
まず、車道からの高さを応じて必要数のスロープを運転手が準備。スロープで乗りこんでから、車内で車いすを前向きに回転させ、3点式シートベルトで固定させるのに7~8分ほどかかる。
しかも回転スペースを確保するため助手席や後部座席の一部をたたんでいるため、車いす使用者とプラス1人しか乗ることができずロンドンタクシーの便利さには至っていないようだ。
国土交通省が認定するユニバーサルデザインの基準を満たし安全面が重視されている反面、車いす使用者にとっての利便性はまずまずというところ。
🗣「今はまだ完成形ではない。しかし、ユニバーサルデザインタクシーは魅力たっぷりで将来性がある。」と、お出かけ好きの前田さんの期待は大きい。
2020年に鹿児島で開催される全国障害者スポーツ大会に向けて、ユニバーサルデザインタクシーの導入が進むことがおもてなしの一つになりそうだ。車内がゆったりとしているため、荷物をたくさん積み込むことができ、色んな用途での利用も可能で、しかも運賃が普通のタクシーと変わらないというメリットもある。
ユニバーサルデザインタクシーが増え、街なかで呼び止めて気軽に誰でも利用できる日を前田さんは楽しみにしている。