明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週は、薩摩の教育に大きな役割を果たした郷中教育の中の武術についてお伝えしています。
今日は、昨日に引き続き、鹿児島市上之園町の共研舎で続けられている、野太刀自顕流の稽古の模様についてお送りします。
(伊東丞士さん)「われわれの自顕流には、防御の技は全然なくて、基本は続け打ちという横木を打つ稽古があるのですが、それが基本となります。3年から4年くらい、一つの技、その続け打ちを稽古して足腰を鍛えてから、次の「懸かり」という技に進むようになっています。
われわれがしている毎回の稽古も、初めの1時間くらいは続け打ちの稽古をして足腰を鍛えております。続け打ちは、われわれの先輩方は、朝に3000、夕べに8000といって、朝に3000回、夕べに8000回、という回数を打ち込む練習をしていたそうです」
道場長の伊東丞士さんは、小学1年生で入門。以来34年間、野太刀自顕流の研鑽をつんでいるそうです。私も、ジゲン流の稽古風景を拝見したことがありますが、全身の力を使って木刀を振り下ろす様には、本当に迫力がありますよね。
(伊東丞士さん)「ただ横木を打つというだけではなくて、われわれの流派の特徴である、地軸の底まで叩き斬る、という、地面まで力強く打ち込むということで、体を、膝を地面に思い切りつく、という。手打ちじゃなくて体で打つ稽古を毎回やっています」
お話を伺っていると、まさに幕末の息吹が伝わってくるようです。
明日も引き続き、野太刀自顕流についてお送りします。