明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。先週より、薩摩の教育に大きな役割を果たした武術についてお伝えしています。
前回の放送では、薩摩の二つのジゲン流についてお伝えしました。冒頭でお聞きいただいたのは、鹿児島市上之園町の共研舎で、現在も続けられている野太刀自顕流の稽古の模様です。
(柚木盛吾さん)「東郷示現流は、昔は上級武士が学んでいた示現流で、うちの野太刀自顕流は下級武士が修練していたものです。甲突川を越えて、この三方限でよく稽古されていたということで、昔は各郷中の学舎で稽古をしたと伝えられています」
副道場長の柚木盛吾さんは、小学1年生からおよそ30年間、野太刀自顕流を学んでいるそうです。
(柚木盛吾さん)「野太刀自顕流の型は、続け打ち、懸かり、抜き、長木刀、打ち廻りというのがあって、あとは口伝でいくつか技が残っています。見た目は簡単そうで、単純なんですけれども、やればやるほど難しいというか、奥が深いです。
30年近く稽古をしているんですけど、家に帰ってから、ああすればよかった、こうすればよかった、と思うことがでてきて、なかなか満足することがないです。一生かけて練習、稽古しないといけないと思います」
先人から受け継がれた薩摩の魂は、今も街なかの一角に熱い息吹を放っています。
明日も引き続き、共研舎で行われている野太刀自顕流についてお送りします。