いろは歌

いろは歌「ほ」(5番目の歌)

きょうは、いろは歌の「ほ」をご紹介します。

仏神ほとけがみ 他にましまさず 人よりも 心に恥ぢよ 天地てんちよく知る

まず、言葉の意味から。「他にましまさず」は、自分以外のところにはいられない。
「心に恥ぢよ」とは、かみほとけは、心の中にいるため、おかしな行動をするのは、神・仏に恥ずかしいのだ、といった意味だそうです。

歌全体の意味は、
神・仏は、私達の心の奥にいるため、人が見ていなくても心の中にいる神様・仏様に恥じない正しい行動をするように。他人が知らないと思っていても天地てんちは良くご存知だよといった意味で、神・仏と天地とは、同義語なのです。
要するに「ほ」の歌は、日新斉のしんぶつ=神仏に対する道徳観を詠んだ一首と推測されます。

この「ほ」の歌は、ことわざの「天知る 地知る 我知る 他人ひと知る」とも通じる部分があります。

これは「誰も知るまいと思っても、天地神明が知っており、私も貴方も知っている。知るまいと思われることでも必ず誰かが知っている。不正や悪事は、いつかは必ず知れてしまう。」

「ほ」の歌は、このことわざと同じ意味ではないでしょうか?


さて幼少期、お寺でヤンチャを繰り返していた日新斉じっしんさいに、転機が訪れます。母、常磐ときわ夫人が日新斉の将来の為、再婚を決意したのです。
再婚の相手は、日新斉の父・善久よしひさの従弟で、多布施の領主・島津相模守運久さがみのかみゆきひさ。母・常磐ときわは、この婚姻により日新斉の将来は安定すると思いをめぐらせます。
このことを知った日新斉は心を入れ換えたのです。

仏神ほとけがみ 他にましまさず 人よりも 心に恥ぢよ 天地てんちよく知る

神仏は、私達の心の中にいらっしゃるという歌です。お役に立ちましたか?
それでは、また来週、元気にお会いしましょう。毎日めにごわんそ!

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