薩摩の教え

鹿児島の偉人たち~加来耕三さんのお話③

今週は西郷南洲遺訓の紹介をお休みして、歴史家の加来耕三さんのインタビューをお送りしています。
昨日、一昨日と前田正名や永山在兼について伺いましたが、今日はその続きです・・・。

 

(加来耕三さん)「明治維新から100年の記念、150年の記念、その都度、薩摩の人気は上がっている。この50年で評価がぐんと上がったのが小松帯刀(その分だけ下がったのが坂本龍馬)。

龍馬がやったことは、実は全部小松がやったこと。
歴史が解明されるほど、本質的に活躍してきた人間がはっきりしてくる。

小松は、国父である久光が賛成してくれるかどうかの落としどころを見つけねばならなかった。
一方で薩長同盟は必ずやらなければならない。じゃあ、どこで妥協できるのか考えて、最終的に辿りついてGOサインを出した。

そんな風に「小松帯刀が偉かった」という論調が出てきたのも、この50年の成果。

例えば、西郷さんが正義だとすると悪役を振られる久光も、業績に対する評価がぐっと上がってきた(文献を見る限り、素晴らしい)。

久光が何を考えていたかというと・・・
異母兄の斉彬から「日本の植民地化を防ぐ」という使命を託され、寺島宗則をわざわざイギリスまで行かせ、イギリス政府の内情まで調べさせている。
そして、外務省まで行って、本当のところはどうなのか確認させた上で、その人間が帰ってくるのを待って、イギリスの公使を薩摩へ呼び、また念押し(薩摩に手を出さない…という)までしている。

で、最後の最後、今ならなんとかなるか・・・というところで、鳥羽伏見の戦いに行くことを決断した。。。」

 

歴史上の偉人の功績は、今も新たに発見され、評価も変わり続けているんですね。。。

明日もお楽しみに。

鹿児島の偉人たち~加来耕三さんのお話②前のページ

薩長同盟がなかったら~加来耕三さんのお話④次のページ

関連記事

  1. 薩摩の教え

    遺訓の持つ意義、西郷の心境~加来耕三さんのお話③

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  2. その他

    妙円寺詣り その2

    今週は、10月の27日(土)・28日(日)に行われた「妙円寺詣り」に参…

  3. 薩摩の教え

    郷中教育の魅力と今後~島津義秀さんのお話

    先週は、郷中教育で行われていた「詮議せんぎ」についてお伝えしました。郷…

  4. いろは歌

    いろは歌「ふ」(32番目の歌)

    今日は、いろは歌の32番目の「ふ」の歌をご紹介します。無勢ぶぜいとて…

  5. 薩摩の教え

    郷中教育52

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の…

  6. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」前半

    今日は、「西郷南洲遺訓」の第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも…

PAGE TOP