9月の半ばからお送りしている「西郷南洲遺訓」。追加の2条まで含めて43ある遺訓のうち、先週までに33ご紹介しました。
今の世の中や身の回りのことにも通じる様々な教え、そして自分に厳しく生きた西郷さんの姿に、身が引き締まる思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。。。今週から、残りの10か条をご紹介して行きます。
今日は、第34条「戦争や有事の時以外には、策略を用いてはならない」という教えです。
策略やはかりごとは、普段は用いてはならない。
策略をもって行ったことは結果がよくない…ということははっきりしていて、
あとで必ず悔いることになる。ただ、戦争においては、策略がなくてはならない。
しかし、日ごろから策略を用いてばかりいると、いざ戦という時には、
決してうまくいかないものだ。
諸葛孔明は、普段平和な時には策略など用いなかったから、いざという時、
あのように思いもよらない策略や戦術が功を奏することになったのだ。
かつて私が東京を引き揚げる際、弟の従道に言ったことがある。
「自分はこれまで少しもはかりごとをしたことがないので、
ここを引き揚げた後もその跡は少しも濁ることなく、
何一つ非難を受けるようなことはあるまい。それだけはよく見ておいてくれ」と。。。
西郷南洲遺訓、明日は第35条をお送りします。