薩摩の教え

西郷南洲遺訓 第3条「政治の優先順位」

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週から『西郷南洲遺訓』の中身をご紹介しています。

今日は第3条「政治における優先順位」についてです。


政治の根本は、国民の教育を充実させ、国の自衛のために軍備を強化し、食料自給のために農業を奨励する・・・という三つであろう。

そのほかの様々な事業は、この三つの基本政策を助けるための手段である。

三つの中で、時の成り行きによってどれを先にし、どれを後にするかの順序はあろうが、この三本柱を後回しにして、ほかの政策を先にするようなことがあってはならない。


これは西郷さんが、政治の根本を「学問すなわち教育と、武力(つまり軍備)と農業(つまり第一次産業)の3つだと」言っているんですね。この三本柱を後回しにして、他の政策を優先することはあってはならないと説いています。

時代は変わっても「教育・軍備・第一次産業」の3つは、今でも政治の議題として上がりますよね。

例えば、国政選挙の際の各政治家のマニフェストでも盛り込まれることが多い項目だと思います。
もちろん今の時代ですから、武力というのは戦争をする軍備ということ以上に、何かあったときに国を守ることを想定しています。有事の際の危機管理能力といえるかもしれません。

また農業は、国の根幹を支える食糧自給という意味でしょう。商工業についてもしっかりとした農業生産がなければ成り立たないというのが西郷さんの考えでした。

時は流れても、政治の根本として大切なものは変わらないことが多いのかもしれませんね。

明日は、西郷南洲遺訓・第4条をお送りします。

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