【#8】南薩の田舎暮らし 窪壮一朗さん

 

このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。

地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。

今週は「ブックカフェで、地元の文化を支える人」ご紹介します。

今回のささえびとは、南さつま市大浦町「南薩の田舎暮らし」という屋号で、

農業や食品加工業を営む、窪 壮一朗さんです。

窪さんは、農業や食品加工のお仕事のかたわら、

出張カフェを行っていらっしゃるんですが、

お住まいの大浦で今、

空き家を改修して「古民家ブックカフェ」を作ろうと活動されているんです。

 

📚窪さんと大浦はどんなご縁なんでしょうか?

大浦は父の故郷です。

私自身は今の鹿児島市宮之浦町、旧吉田町の生まれですが、大学や就職で東京・神奈川に出ていました。

東京も嫌いではなかったんですけど、「これからの時代、むしろ田舎の方がフロンティアだ」って思って、

あえてど田舎の大浦町に移住してきました。

 

📚今回、古民家ブックカフェを作ろうという計画・・・どんなきっかけだったんでしょうか?

数年前、畑を借りようとしたら

「もう地元に親類縁者誰もいないから畑だけじゃなく家も土地も全部もらってくれ」といわれたんです。

それで自宅の近所に古民家をもらったんですけど、特に使うあてもなくてそのままにしてました。

家財道具なんかもそのままだったですし。

でもいつまでもほったらかしにしててもしょうがないので1年くらいかけて片づけをしました。

そしたらただのボロ屋だと思ってたのに意外といい家だなということで愛着がわいてきて、何かに活用しようと。

それで、いろいろ検討したのち、本をたくさん集めてブックカフェを作ったらいいじゃないかという話になりました。

この夏から改装工事をして、本のスペースとカフェスペースをつくり、

本が買えてコーヒーが飲める場所をこのド田舎に作ろうと思っています。

 

📚これまでも、こういった活動をなさっていらっしゃったと伺いました。

私は本業は農家なんですけど、家内がジャムやシロップをつくる食品加工をしていて、

イベントの際に出張カフェ営業をしてきました。

イベントの主催もしていて、

「海の見える美術館で珈琲を飲む会」というイベントを年一回、笠沙美術館を借り切っておこなっていたり、

月イチで「石蔵ブックカフェ」というイベントを加世田の丁子屋さんの石蔵を借りて行っています。

こういう活動を発展させて「古民家ブックカフェ」の構想が生まれてきました。

 

📚今回クラウドファンディングでご支援を募りました。

クラウドファンディングは、目標200万円に対してサイト上では8割くらいの達成度で、

惜しくも達成にはならなかったんですが、

実は現金で直接持ってきてくれたり、

「クラウドはややこしいから銀行振り込みします」っていうような方もかなりいらっしゃって、

そういうのを合わせると、約250万円があつまりました。

だから大成功でした!👏✨

支援してくださったのは、やはり地元出身で今は都会のほうにいらっしゃるという方がまず多かったですね。

「大浦を盛り上げてくれてありがとう!」みたいなメッセージをたくさんいただきました。

そして地元の方。

特に役場の有志の方がまとめて支援してくださったのはうれしかったですね。

正直クラウドファンディング達成するかどうか五分五分かなーと思ってたんですけど、

すごくたくさんの方に応援していただいて想像以上の結果でした。

今の気持ちは感謝以外ないですね!

 

📚どうして「ブックカフェ」だったのでしょうか?

私も家内も本が好きだからですね。

特に田舎にいたら本を買うところがない。

ほしい本があったらAmazonで買えるけど、なんかないかなーっていう時にはやっぱり本屋で買いたいので、

近所に本屋があったらうれしいなと思ってブックカフェにしました。

誰かのためにというより、自分たちのために作るみたいなもんですね。

 

📚今の大浦の街の様子というのはどんな状況ですか?

大浦は、県内でも一番に少子高齢化が進んだところなんです。

だから普通なら「町に残ったのは年寄りばかり」とかいうんですけど、

その年寄りもいなくなりつつあるような感じです。

最盛期に8000人以上いた人口も、1800人にまで減ってしまいました。

当然、お店なんかも廃業続きで、もうあらかたなくなったという感じです。

 

📚ご近所の皆さんの反応はいかがですか?

すごく楽しみにしてくださっていますね。

物件のある場所は、町内でも奥の方にあって商店街のような場所とは離れているんですけど、

たぶんこの周辺で新しいお店ができるのは50年ぶりくらいのことじゃないかなと思います。

だからすごく関心は高いですよ。

 

📚ちなみに、今の進捗状況いかがですか?

今、工務店さんと相談をしていて、これから工事に入っていこうというところです。

南さつまの「クラフタ」という業者さんで、

すごくおしゃれな店舗建築を手掛けているところなのですごく楽しみです。

また、クラウドファンディングのお礼状や返礼品の準備をやったりとか、

物品の寄付の申し出があったのを受け取りにいったりとかもしてます。

先日はエアコンをあげるっていう人がいたのでもらいに行きました。

買ったら高いので本当にありがたいです。

 

📚これからこの場所を、どんな場所に、どんな空間にしていきたいですか?

ちょっと大げさなんですけど、「文化の拠点」を作りたいと思ってて、

どうしても田舎っていうと文化的なものが少ないわけじゃないですか。

でも意外と、話を聞いてみると音楽が好きだとか絵をかいてるとか、

みなさん結構文化的な活動をされてるんですよね。

でも田舎にいると、そういう一面を出す機会がないっていうようなところがあるので、

この古民家ブックカフェは、本をきっかけにして、文化的な活動が広がる場になったらいいなーと思っています。

もちろんただコーヒーを飲む場所としても活用していただいたらうれしいです。☕

 

たくさんの想いが集まって、きっと素敵な空間になるんだろうなー♪

私も楽しみにしています!

窪さん、楽しいお話、ありがとうございました。

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