【#41】霧島造林 高橋宏和さん
このコーナーでは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介します。
今回の舞台は「鹿児島の森」です。
今日は林業のお話です。
人手不足と言われる林業の世界に、なんと未経験で飛び込まれた方。
「鹿児島の森林を守り、支える人」をご紹介します。
今日のささえびとは霧島市にある「霧島造林」代表の、高橋宏和さんです!
霧島造林は、造林・育林をメインにしており、高橋さん以外のメンバーは20代が中心!
若い方が頑張っている会社です。
🌳そもそも、林業の世界に入られたきっかけは?
7年ほど前まで勤めていた飲食店に林業従事者の方が来られていて、
「造林・育林の人手が足りなくなっている」という話などを聞いて、
林業の現場には「仕事」が溢れているなら稼げる・・・という、
とても安直な考えで林業の世界に飛び込みました。
🌳造林・育林のお勉強は?
今でもですが、現場仕事をやりながら、他業者に入らせてもらったり、
自分たちの現場に来てもらったりするなかで技術を覚えています。
知識は、ひたすら本を読み漁っています。
🌳「造林・育林」とは?
林業と聞くと「木を切る(伐採)」というイメージがあると思うんですが、
実は伐採というのは、50~80年に1回行われる作業なんです。
伐採した後の山は、切り株や枝葉が残っていたりして、森が荒れるんです。
そこに新しく苗を植え付けできるように、きれいに整理する「地拵え」をして植林をするのが「造林」。
そこから、植栽した木を育てるための、「下刈り」(草刈り)をしたり、
節のない木材に仕上げるために「枝打ち」したり・「切り捨て間伐」など、
質のいい材を育てるための作業を「育林」と呼んでます。
造林・育林は、次の世代に資源を繋げたり、
二酸化炭素の吸収量を上げたり、山林の保水力を高める(ダムの役割をしてくれる)施業なんです。
🌳お仕事の楽しみは・・・?
林業の魅力は、一つの現場が終わった時の達成感や、山頂から見える景色のきれいさ。
言葉では伝えづらいのですが、木を切った時の匂いや、
木が倒れる時の迫力ある「ズドン」という音には、いつも感動します。
🌳ちなみに今は、どのような作業をしているんですか?
今ちょうど霧島の御池の近くで、植え付け前の「地拵え(土地を整える作業)」をしている作業の最中で、
来週には杉の苗木を植え付けられるかなーと思っているところです!
🌳林業って力仕事も多く、体力勝負だと思うんですが・・・?
伐採に関しては、機械化が進みつつあるので、最近は女性の参入もよく耳にするようになりましたが、
自分たちが関わる造林・育林の機械化はまだまだ進んでいなくて、
作業の多くはいまだに人力で行なっているのが現状です。
なかなか体力が続かず、辞めてしまう人も多いので、
そういった人でも林業を続けられるような方法を、今模索しているところです。
🌳今、高橋さんを突き動かしているものは、こんな想いから。
自分たちが今使わせてもらっている「木」という資源は、
50年~80年ほど前に、
おじいちゃんやひいおじいちゃんたちの世代の人たちが植え付けてくれたから使えているんですよね・・・。
自分たちがそうしてもらったように、
消費するだけではなくて、この資源を次の世代に繋ぐのが林業の仕事だと思うので、
40%しかない鹿児島県の再造林率を、
80%、100%と上げる一端を担えるよう、出来ることをやろうと思っています。
🌳これからどのように林業を支えていかれたいですか?
林業はなかなか人目に付きづらい仕事なので、まずは林業の認知度を上げたいと思いまして、
昨年から地元の小学校に、実際に丸太や仕事道具を持って行っての「木育」の授業を始めました。
これをきっかけに、林業に興味を持ってくれる人が増えていけばいいなと思っています。