【#35】松田商店 牧隆之さん
早いもので11月もあとわずか・・・、
少しづつ冬の足音が聞こえてくるのを感じます。❄.゜
「日本を元気に!あなたの街のささえびと」レポーターの鶴園直子です!
このコーナーは、「私たちの日常を支える人」すなわち“ささえびと”。
地元や地域、街を盛り上げ、元気にしようと頑張っている“ささえびと”をご紹介してます。
さて今回の舞台も屋久島。
今日は「昔ながらのふるさとの味を支える人」ご紹介します。
その方がいらっしゃるのは、安房から車で5分程、船行集落にあるお土産屋さん「松田商店」。
実はこちらに、創業以来70年近くも愛され続けているものがあるんです。
それが、屋久島でおなじみの名産「トビウオ」を使ったすりみ。
お土産屋さんながら、隣にある作業場で作られる手作りのすりみがとても人気なのだそうです。
お話は松田商店の3代目、牧 隆之さんに伺いました。
🐟松田商店はお土産屋さんということですが、どうしてすり身を販売しているんですか?
元々は、小さな集落の中にある小さな商店で、日用品や食品、惣菜を販売するお店でした。
その惣菜の一つとして、今98歳になる祖母が「トビウオのすりみ」や「つきあげ」を作っていたのです。
それが口コミで評判を呼んで、観光バスが立ち寄っていたそうです。🚌💨
今では、このすりみがお店の看板商品になり、製造・販売を続けています。
🐟観光バスが立ち寄るほど評判の「トビウオのすりみ」・・・どんなすりみなんですか?
トビウオ100%で作っているので、トビウオの味がとても濃いです。
ばあちゃん秘伝の、甘めの味付けになっているんですが、
元々「あごだし」というくらい、だしに使われるようなお魚なので、
すりみを煮込んだだけでもすごいだしが出ます。
トビウオ自体が身が固めなので、きちきち詰まった感じなんですが、
鍋に入れると、ふわっとした感じにやわらかくなって、だしの味がじゅわっと出てきますよねー!
🐟こういった「トビウオのすりみ」を作るお店は、屋久島では多いんですか?
自分が知っているだけで、今は5~6か所くらいだと思います。
昔は結構あったし、各家庭でも作ったりしていたと思うんですが、
今は家庭で作るところも聞かなくなりましたね。
🐟どうして少なくなっちゃったんでしょうねー?
とにかく作業が大変なんです・・・。
一匹一匹すべて手作業で、丁寧にさばいているので、非常に時間がかかります。
魚の臭みが残らないように、はらわたをこさぎ取って、刺身にできるくらいの状態にしてからミンチして、
最後は手で練って仕上げています。
トビウオは骨が多くて固いので、きれいに取り除かないといけませんし、
夏は弱らないようにスピード勝負、冬は水が冷たいんですよ。
毎年手にしもやけを作りながら作っています。
それでも手作業の方がきれいに身も取れますし、
これがうちの売りなので、手作業は変えないで頑張っています!
🐟1年中作れます!
実はトビウオだけで8種類くらいあって、
春と秋は中トビウオ、夏は10センチくらいの小トビと呼ばれている「セミトビウオ」、
冬場は30センチを超えるような角(大)トビウオと、年間通して違った種類のトビウオがとれます。
時期によって大きさも変われば、個体差もありますね。
ただ…昔に比べて漁獲量がだいぶ減っているんです。
以前の半分くらいになったんじゃないかなー。漁船自体も減っていますし、漁師さんも減っていますし、
気候の変化などでトビウオが獲れなくなっているとも聞くんですよね・・・。
お店に入ってくるトビウオ自体が貴重になっているのも気になっています。
🐟これからどんな風に、このふるさとの味を繋いでいかれたいですか?
とにかく、ばあちゃんが作ってきたものを守っていかないとなーと思っています。
ばあちゃんの作った味を変えないために、トビウオ100%にこだわって作り続けていきたいです。
そして、いろんな人に食べて欲しいなーと思います。
※食べてみたいなーという方もいらっしゃると思いますので、お問い合わせ先を・・・。
熊毛郡屋久島町船行337-1
松田商店
電話・FAX:0997-46-2941
ご注文は、直接お電話頂くか、FAXでお願いします!とのことでした。