竹で子どもたちのにぎわいを表現
野外展覧会「大隅アートライブ展~カミは“すみ”に宿る~」に、アーティストとして参加している愛竹家、橋口博幸さん。
10年前から竹に関わるようになり、竹で造形物を作ったり、竹炭事業や竹の建材事業に携わったりしている。
今回、橋口さんが作り上げたのは、竹を使った高さ8メートルもある大きなオブジェだ。
国の登録有形文化財に指定された木造校舎がある、肝付町の川上中学校。
いま休校となっているが、橋口さんは校庭の「せんだんの木」を囲むように、多くの竹を組み立て張り巡らせた。
これは昔、たくさんの子供たちでにぎやかだった様子を表現したものだ。
オブジェの中には、卒業生の写真が飾ってある。
美しい佇まいの学校を、半世紀にわたり見守ってきた木は、卒業生や地元の方々にとって、思い出がつまった宝物。
「在りし日の中学校に想いを馳せ、子供たちの声が聞こえてくるような雰囲気を感じてもらえたら…」。
作品を作るために学校の部屋を借りて半月ほど滞在し、地元の方々とも交流を深めた。昼は澄んだ空気の中で作業しながら、いろんな野生動物とも出会い、夜は満天の星を眺めながら過ごしたという。その時間は、橋口さんの今後の作品作りにとって、貴重な体験になったという。
夢は、世界中の国々で竹を活用していく手伝いをすること。
空を目指して伸びていく竹のように、橋口さんも夢にむかって、ぐんぐん成長を続けていくに違いない。
~11月9日(木)10時40分頃『たんぽぽ倶楽部』海童が行く より~