ととナビvol.175 チュウゴクモクズガニ
🙇🏻:「恵津子さん、上海がにって有名ですよね。食べたことありますか? ここに3匹のカニの写真がありますが、どれが上海がにかわかりますか?」
🙇🏻:「正解は3番です。これがあの有名な上海がに(雌)なんですよ~。」
では、もう一問。上海がには鹿児島にすんでいると思いますか?」
うーーーーーん、、、、🤔
上海がにというのは俗称で、標準和名はチュウゴクモクズガニ。
おもに中国から朝鮮半島にかけて生息しています。
一方、日本にはモクズガニというカニがいます。鹿児島では「山太郎がに」と呼んでいますね。
写真の1番はモクズガニの雄、そして2番はその雌。雄の方がハサミが大きくて体ががっしりしていますね。チュウゴクモクズガニは日本のモクズガニと、甲羅の感じが少し違うのと、目の間の4本のとげがしっかりしていることで区別できます。
ところで、今日は先生から大事なお話があります・・・😑
🙇🏻:「外国にすんでいる生き物で、国内に持ち込んだ場合に人体や生態系、農林水産業に悪影響を及ぼす恐れのあるものを特定外来生物といいます。チュウゴクモクズガニもその一つ。他には・・・というと、皆さんよくご存じのヒアリやアライグマなどもそう。」
・・・つまり、チュウゴクモクズガニは、日本にすんでいてはダメなカニなんですね。
🙇🏻:「外来生物法という法律があって、特定外来生物を生きたまま許可なく国内に持ち込んだり、飼育したりすることは禁止されています。逃がしてもダメ。生きた上海がにをお土産で持ち込むことは禁止されていますからご注意ください。」
・・・なぜ生きたまま勝手に持ち込むことが禁止されているんですか?
🙇🏻:「それは・・・、もともと日本にいない生物の遺伝子が出現することになるから。日本産のモクズガニとの交配も心配されているんです(別種なので「交雑」ですが)。モクズガニとチュウゴクモクズガニは交雑個体ができ易いんです😰。」
今回、先生が上海がにの写真を撮ることができたのは、中国の研究者と共同研究していたから。中国とロシアと日本でカニを採集して遺伝子を調べるんですが、中国の東部とロシアの一部の河川で交雑個体が確認されたんだそう。日本では確認されなかったのでひとまずセーフでしたけど、これからどうなるかわからないので遺伝資源の保全には気を配らなくてはいけないですね。
🙇🏻:「私は幸運にも上海がにを蒸しがにでいただきましたが、次に食べるのは中国か、もしくは日本では料理屋さんでしょうね。上海がには日本にいてはいけないカニなんです!!。」