鹿児島県知事選は終盤戦へ 現職、新人の三つどもえ 大票田・鹿児島市で舌戦
先月20日に告示された鹿児島県知事選挙は、今月7日の投票日まで1週間を切りました。
立候補したのは届け出順に、新人で元自民党県議の米丸麻希子さん、新人で元看護師の樋之口里花さん、現職で2期目を目指す塩田康一さんの3人で、いずれも無所属です。
終盤戦へ向け、大票田の鹿児島市を中心に、3人が支持を呼びかけた週末の動きを振り返ります。
【米丸麻希子候補】
米丸麻希子さんは先月29日、天文館で総決起集会を開き、およそ300人に「県政の転換」を呼びかけました。
(米丸麻希子候補)「この鹿児島県、日本の中でも特に後退している。時給・年収・子どもの貧困。鹿児島が変われば、日本が変わるのではないかという風におもっている。かならずや、この鹿児島を元気に復活させる」
支持者らは、鹿児島市のドルフィンポート跡地で県が進める新総合体育館の建設に対し、米丸さんの反対姿勢を支持しています。
(霧島市60代主婦)「できる人なので、ぜひ知事になってもらって、鹿児島を変えて欲しい」
(霧島市70代主婦)「(新体育館ができたら)桜島が見えなくなる。一番のシンボルが。麻希子さんはいろいろな人とつながりがあるから、それを生かして県政につなげて欲しい。それが一番」
鹿児島初の女性県知事を目指し、気持ちを新たにしています。
(米丸麻希子候補)「応援者が日に日に、増えていっているような感じは強く受けている。選挙ってみなさんの意思、未来・ワクワクする未来をつくるための一票だということで、みんなにこの選挙戦を楽しんでほしい。鹿児島県初の女性知事として、何とか勝ち抜いていきたい」
【樋之口里花候補】
樋之口里花さんは先月30日、告示日に第一声をあげた鹿児島中央駅前で演説し、およそ100人に支援を求めました。
(樋之口里花候補)「基地があるとどういうことになるのか、原発が動き続けるとどういう事態を招くのか、こういう情報を県民と共有しながら県民投票を行いながら県政を進める。県民の声を聞く、国にNoと言える樋之口里花をどうか知事にしてほしい」
自主的な支援を受ける共産党の小池晃書記局長も駆けつける中、川内原発の20年の運転延長や、自衛隊施設の整備に反対する樋之口さんの主張を支持する声が上がりました。
(鹿児島市70代主婦)「話の仕方も冷静で、きちっと話すところに好感をもった」
(鹿児島市80代主婦)「女性の目から見た行政が大事だと思う。共感できて頼もしいと思った」
支持者の励ましの声が活力になっているといいます。
(樋之口里花候補)「ありがたいことに街頭から手を振っていただいたり、激励に駆けつけてくださったり、思ったより多くの人に応援いただいていると実感している。命と暮らしが大事にされる県政を今度こそ作ろうと、県民の声が届く県政をつくろうということを強く訴えていきたい」
【塩田康一候補】
塩田康一さんは先月30日、鹿児島市で総決起大会を開き、推薦を受ける自民党などの幹部のほか、支持者らおよそ1400人が集まりました。
(塩田康一候補)「みなさまのご協力をいただきながら、県政をこれまでしっかりと前に進めてきた。稼ぐ力の向上を基盤として、子育て支援など今後の持続可能な地域社会づくりに取り組んでまいりたい」
支持者からは、新型コロナ対策や農林水産業の振興などに取り組んだ塩田さんの県政運営を評価する声が聞かれました。
(屋久島町70代建設業)「離島を含めて、いろんなことに真剣に取り組んでくれているので、非常に感謝している。引き続きやってもらわないと。ここで変えてしまうと一からの出直しになる」
(鹿児島市70代団体職員)「女性のみなさんを応援しておられる姿を尊敬している」
4年前より支援が広がり、反応も良いと感じていると言います。
(塩田康一候補)「選挙カーに乗って回っていると、住民や対向車が手を振ってくれる。前回の選挙と同じか、それ以上に感じる。人口減少社会の中で、地域の活力を維持・発展されるための稼ぐ力、子育て支援。そういったことをみなさんに伝えていきたい」
現職の塩田さんに、新人の米丸さんと樋之口さんが挑む三つどもえの争いとなった知事選。今月7日投開票の「七夕決戦」に向け、戦いは激しさを増しそうです。
県選挙管理委員会によりますと、先月30日までに知事選の期日前投票を済ませた人は7万3177人で、投票率は5.57%と、4年前の前回を0.03ポイント下回りました。期日前投票は今月6日まで行われます。