種子島で移住者が制作 テレビ番組風PR動画
きょうは種子島の西之表市でテレビ番組のような動画を制作している市の地域おこし協力隊員です。「移住」をテーマにした動画で伝えたいことは?
まるで、テレビ番組の1コーナーのような動画。移住・定住を呼びかけるため西之表市が制作する動画の「予告編」として現在、インターネットの動画共有サイトYoutubeなどで公開されています。
出演、撮影、編集、構成など全ての工程を担当するのは、西之表市に移住した地域おこし協力隊員の5人です。うち3人はTV番組やCMを制作した経験があります。
制作する動画のタイトルは、「おじゃり!移住女子体感!種子島暮らし奮闘中」。女性の地域おこし協力隊員が主役で、地元の住民とのやりとりや日々の暮らしに密着する構成で現在、1分20秒ほどの予告編がインターネットで公開されています。
本編は25日から公開されます。
西之表市の人口は現在およそ1万5500人で、最も多かった昭和34年のおよそ3万3600人から半分以上減っています。市は島外からの移住者を増やそうと、去年から空き家情報などを掲載した専用のサイトを開設しました。
こうした情報提供に加え、実際に移住している地域おこし協力隊が「島の暮らし」を動画で発信する今回の取り組み。市では、島に興味をもってもらい、「移住・定住」への一歩が踏み出しやすくなるのではと考えています。
(西之表市役所地域支援課協働推進係 山口智広係長)「私たちの持っていないスキルと思いがあると思う。種子島の思いも、地元の思いも含めて発信していってもらいたい。地域おこし協力隊にすごく期待している」
動画制作スタッフの恒川拓希さん(34)です。
レコード店の元店員で、名古屋市から去年12月に地域おこし協力隊員として西之表市に移住しました。恒川さんが移住して感じたのが島の「時間の流れ」だといいます。
(地域おこし協力隊 恒川拓希さん)「時間の流れが良い意味でおだやかで、ゆっくりで。都会では味わえない時間が過ごせるのが大きな魅力ですね。「移住女子」とタイトルもある通り、住んだ人から見た種子島の暮らし。それを伝えたい」
一方、動画のタイトルにもなっている「移住女子」役は東京都出身でヨガインストラクターの川越麗子さん(37)です。
2009年の皆既日食で種子島を訪れたことで島が気に入った川越さん。東京にいる間もたびたび種子島を訪れ、特産の島バナナを使ったカレーを開発したりキャラクターを製作したりするうち、思いが募り去年12月に西之表市に来ました。
(地域おこし協力隊 川越麗子さん)「ずっと住みたいなと思っていました。住んでみないと入り込めない種子島の良さを体感している。家族の一員というような感じで関わっていただいていて本当にありがたいです」
川越さんが住んでいるのはおよそ200世帯400人が暮らす古田地区です。
移住後、公民館でヨガ教室を行うなど住民と積極的に交流しています。地区のイベントにも参加して、いまや欠かせない地域の一員です。
(古田地区浜島商店 濱島秀人さん)「いろいろ参加してもらえると、私たちも協力しようという気持ちになる。島外に発信してくれていますので、すごく助かっています」
撮影中も、周囲からよく声をかけられます。
(古田小校長)「(移住PR)は児童数の確保に向けては一番ありがたい取り組みだと思いますので、ひとつの手立てだとしてすごく有効だと思っています」
(川越さん)「外にバンバン宣伝してきます」
(古田小校長)「郵便局に行く途中だった」
(川越さん)「こういう感じなんですよねここは。元気?とか家族はどう?とか声をかけていただいて、本当にあたたかいところだなと。ここに来てよかったです」
島の人の温かさに触れながらリアルな島の暮らしも発信する川越さん。動画の反響も大きいといいます。
(川越さん)「配信されてから、どのぐらいの人たちに声をかけていただいたのかな?というくらい反響があったので、これからもみんなで力を合わせて頑張っていきたい」
第1弾は今月25日から西之表市の移住支援情報のサイトで公開されます。
また、全国の移住に関する情報を集めた総務省のサイト、全国移住ナビなどにも掲載される予定で、今後、月に1回のペースで配信していくということです。