奄美“結いの心”で世代を越えてSDGs 海岸清掃とゴミ生かしたアートで健康づくり 大島高校のアイデア
鹿児島県内の高校生がSDGsの取り組みやアイデアを競うコンテストが今月、鹿児島市で開かれました。
優秀賞に選ばれたのは大島高校です。島の人たちと世代を越えた交流で健康づくりや環境保護につなげる取り組みです。
(発表)「一つの空間を共有するだけでなく、一つの作品を通して、多世代がつながる新たな交流の形を見いだす」
今年で2回目となった「SDGsQuestみらい甲子園」県内の高校64チームのなかから優秀賞に選ばれたのは大島高校の取り組みです。授賞式のあと、地元奄美でも発表しました。
(大島高校2年 福﨑心結さん)「奄美大島の住民の健康と美しい海を守る」
きっかけは奄美市の男性の平均寿命が79.2歳で、全国1718市町村の中でワースト35位となっている現状でした。
島の人たちの健康づくりのために何かできないか?注目したのが海岸清掃=ビーチクリーンの取り組みです。
健康な体づくりには1日8000歩が推奨されていますが、参加者は40分間に平均およそ1600歩あるきました。
参加した40代の女性はアンケートに「世代に関係なく一体感が生まれ達成感がありました」と答えました。
(発表)「身体的健康だけではなく社会的健康の促進や、海洋ゴミ問題に対する意識の向上が期待できる」
一方、足腰が弱くビーチクリーンに参加できない高齢者のために思いついたアイデアが、集まった海洋ゴミでつくるアートです。
(記者)「生徒たちの活動は地域や世代を越えて広がっていきます」
今月7日、龍郷町の介護施設の高齢者と一緒に、アート作品をつくりました。
そうして出来上がった作品が・・・
「絵を遠くから見ると一見クジラに見えますが、近くで見ると和月のみなさんと作った一つ一つの作品から成り立っています」
参加した80代の女性はアンケートで「細かい作業で短時間でも頭を使いました。子どもたちのピースと組み合わせてどんな作品になるか楽しみ」と回答。
健康増進は「体力づくり」だけでなく交流を通じて「誰かと繋がっているという感覚」を持つことも大切だと生徒たちは気づきました。
(大島高校2年 安田琉夏さん)「とても良い活動だと友達に褒められた」
(発表を聞いた生徒)
「高齢者との関わりを気にして生活したい」
(大島高校2年 文みらいさん)「日常にある世代間交流になるよう、奄美大島全体でできる活動になったらいい」
世代を越えた「結いの心」で奄美で持続可能な環境保全と健康づくり。生徒たちの取り組みが続きます。