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池に転落の赤ちゃん 手助けし立ち去った“ヒーロー”と再会「ありがとう」…名乗り出たきっかけ「SNSでの批判」

今週、鹿児島市の公園で生後1か月半の赤ちゃんがベビーカーごと、池に転落したニュースをお伝えしました。救助を手助けした人たちは名前を告げず立ち去り、母親が情報提供を呼びかけていましたが、8日、再会が叶いました。

パニックになるほどの出来事が起きたのは、今月4日昼すぎでした。市内に住む30代の夫婦は3人の子どもを連れて、マリンポートかごしまに散歩に訪れていました。

近くのヘリポートに着陸したヘリコプターからの強風で、生後1か月半の赤ちゃんを乗せたべビーカーが目を離したすきに動き出し、そばの池に転落。父親がすぐに助け出したものの、赤ちゃんは全身が濡れて震えていたといいます。

近くにいた看護師や男性たちがパーカーを差し出して体を包むなど協力して手助けし、大事に至りませんでした。手助けした人たちは名前を告げず立ち去りました。

『パーカーを返してお礼がしたい』 母親は、手助けしてくれた人たちをSNSで探し続け、8日に再会が叶いました。

現れたのは、ベビーカーの引き上げなどを手伝った宮路さんと、自分が羽織っていたパーカーを差し出した職場の後輩・大久保さんでした。

(母親)「ありがとうございました。こちらこそ」「すごくあたたかいパーカーだったので、くるんだおかげで、かぜもひかず無事だった」

(宮路さん)「後輩の上着があたたかそうだった」
(大久保さん)「『自分の上着があたたかいので』と、とっさに声をかけて、そのまま洋服を渡して『とりあえず子どもをくるんでください』と」

大久保さんの手元に戻ったパーカー。母親がクリーニング店に出した際、8日の再会には仕上がりが間に合わない予定でしたが、MBCニュースなどで今回の救出劇を知った店の担当者が「赤ちゃんをくるんだパーカー」だということに気づき、仕上げを前倒ししてくれたそうです。
8日は、赤ちゃんのお兄ちゃんとお姉ちゃんが書いた感謝の手紙もプレゼントされました。

(手紙)『上着を貸してくれてありがとう、ありがとう』

(母親)「ヒーローじゃんと上の子たちは言っていて、きょうも会いたいと言っていたが、幼稚園があったので」

子どもたちの“ヒーロー”宮路さんたちからは、おむつと、手作りの“ある道具”を贈りました。

(宮路さん)「ベビーカーにつけて、手を離さないようにするバンド。店に売ってないか聞いても無いと言うので、自分で作った」
(母親)「ありがとうございます」

実は、宮路さんたちは、もともとは母親との再会を考えていませんでした。

(宮路さん)「はじめは出ていく気はなかったが、SNSを見ているとどうしても許せなくて」

あの日、宮路さんたちは、母親に連絡先などを伝えなかったため、母親はSNSを通じて2人の情報提供を呼びかけていました。しかし、その投稿の中には、子どもから目を離した夫婦を非難するコメントも寄せられていました。
そこで、宮路さんたちは、テレビを通じて、今回のようなケースは「誰でも起こり得る」と伝えたいと考え、再会を決断したといいます。

(宮路さん)「誹謗中傷を受けていたので、それがどうしても許せなくて」

(大久保さん)「常に1分1秒ずっと目を離さないのは難しい。たまたま今回、こちらの夫婦がこういった目に遭っただけで、誰にでも起きてしまう」

赤ちゃんの母親は当時、一緒に手助けしてくれた看護師の女性を探していましたが、7日にSNSを通じて連絡が取れ、改めて電話でお礼を伝えることができたそうです。

(母親)「SNSに投稿した時、無理かと思った。見つけたい一心だった。こういう形で会えて本当によかった」