伝統の水車からくり人形 今年は「かぐや姫」 南九州市・豊玉姫神社(2023年7月10日放送)
7月に入り、鹿児島県内各地で六月灯のシーズンを迎えています。10日は、南九州市知覧町の豊玉姫神社から中継です。
午後6時を過ぎまして、周りを吹き抜けていく風が少しずつ涼しく感じられるようになってきました。今日来ている豊玉姫神社では、9日・10日の2日間、六月灯が開催されています。
境内には屋台も出店されていて、近くに来ると、だんだんいい香りがしてきています。今日も地元の高校生たちの姿があります。
豊玉姫神社の六月灯では、地元の皆さんが楽しみにしている催しがあるんです。
それがこの会場の奥、左手に見えてくる「水車からくり人形」です。
1984年に国の無形民俗文化財に選ばれ、今年はかぐや姫の演目で行われています。
左手の方では、竹からかぐや姫が生まれてくる様子、そして右の方に場面が移っていくにつれて、かぐや姫が月へ帰っていく様子が再現されています。
こちらのからくりや人形すべて、この神社の中にある建物で制作されていて、現在は保存会に入っている15人ほどで制作をしています。
いつの時代から始まったかは明らかでないですが、江戸時代後期には人形が残っていて、毎年夏の風物詩として楽しまれているということです。
そして、この人形が動く仕組みはこちらです。神社の前には水路が流れていて、その水路には直径3メートルほどの大きな水車が設置されています。
その水車から水のエネルギーを得て、このからくりの館の中にある歯車やいとを動かして、人形21体全てを動かしています。
水車ひとつで動かせるというのがすごいですよね。
ここで制作に携わっている赤崎さんにお話を伺います。
本番はいよいよ昨日から一緒に水車からくり人形を始めましたけれど、準備もいろいろ忙しかったんじゃないですか?
(赤崎さん)そうですね。もうやっと間に合うような状況でした。
一つひとつを設計図がない状態から作られているそうですね。
(赤崎さん)皆さんのアイデアを出しながら、どんなふうに伝えた方が効率的に動くかなということで作っております。
皆さん笑顔で、写真を撮っている方も多くいますけれど、ご覧になっていかがですか。
(赤崎さん)子供たちも本当に目を輝かせて見ていただいているので、本当にうれしいですよね。
こちらの「水車からくり人形」ですが、今年の公開は10日午後10時まで。今月29日・土曜日に開催される「知覧ねぷた祭」で特別公開も予定されています。
南九州市知覧町の豊玉姫神社から中継でお伝えしました。