指宿枕崎線 全線開業から55周年
JR指宿枕崎線は55年前のきょう、西頴娃と枕崎の間が開通し、全線で開業しました。
その後、利用者は減っていますが55周年を祝い、指宿枕崎線と沿線を盛り上げようというイベントが開かれました。
柳原レポーターの報告です。
(柳原レポーター)「全線開業55周年を迎える指宿枕崎線。こちらは記念の臨時列車ですが、車両の先頭部には記念のヘッドーマークがつけられています。」
先日、運行された指宿枕崎線の全線開業55周年を祝う臨時列車。
指宿駅と枕崎駅の間を往復しました。
今から55年前の1963年10月31日。
指宿枕崎線は西頴娃駅と枕崎駅の間が開通し、当時の西鹿児島駅、現在の鹿児島中央駅と枕崎駅までのおよそ88キロがつながり、全線開業となりました。
JR九州によりますと指宿枕崎線の1日あたりの平均利用者数は、鹿児島中央・喜入間では1987年度がおよそ8250人、昨年度がおよそ8470人と30年間でおよそ220人増えました。
一方、南薩地区で見ると、指宿・枕崎間では1987年度が、およそ940人でしたが、昨年度は、およそ310人。30年間でおよそ3分の1に減りました。
背景には車の普及や人口の減少などがあります。
利用者は減っていますが、地域の人たちにとって今も大切な路線である指宿枕崎線。
全線開業から55周年となったのを記念したイベントが今月27日と28日の土日に開かれました。
指宿枕崎線と沿線の魅力を改めて知ってもらおうと県などが主催しました。
イベントの一環で走った臨時列車には、家族連れなどが乗車し、車窓からの景色を楽しみました。
「山の見たことないところがたくさん見られるので汽車がいい」
「指宿から鹿児島中央に向かう列車にはたまに乗るがこっちは初めてなのでせっかくの記念に乗った。ほのぼのとしていい」
日本最南端のJRの駅、指宿市の西大山駅では、停車時間を利用しての記念撮影。
そして、列車は進み見えてきたのは、薩摩富士とも呼ばれる開聞岳。
南薩の美しい風景が広がります。
南九州市の西頴娃駅では、地元の特産品が販売されるなどし普段、静かな駅はにぎわいました。
西頴娃駅での催しを中心になって企画したのは葛岡克紀さんです。大阪出身の葛岡さんは1年前、南九州市頴娃町に移住。地域おこしグループ頴娃おこそ会のメンバーとして活動しています。
臨時列車の到着時刻が迫ると出迎えようと地元の人たちが大勢集まりました。
(頴娃高校 吹奏楽部)「この観光列車をきっかけに南九州、指宿、開聞、の良さを知ってほしい」
指宿駅を出発しておよそ40分。臨時列車が入ってきました。葛岡さんは写真を撮ったり、乗客に記念の乗車証を配布。地元の人たちも乗客とふれあいました。
(葛岡克紀さん)「周辺には観光スポットが結構あるので路線の魅力を生かしていくことができれば」
そして、臨時列車が出発。
指宿駅を出発後、1時間余りで枕崎駅に到着しました。
(乗客)「長い歴史がいつのまにかあったんだなと、何年前に開業したとか意識してなかった」
(県南薩地域振興局 五田嘉博局長)「地元の人にも鉄道を見直してもらう、あるいは県内外の方にも鉄道を使って指宿枕崎の間観光で周遊してもらう。これを機にまた指宿枕崎線の沿線の魅力を発信してもらえればと思う」
地域の足として長年、運転を続けている指宿枕崎線。
利用者の減少という厳しい現実がある中、これからのあり方を考えるきっかけにもなったイベントとなりました。