新型コロナ 高齢者施設で新たなクラスター 注意すべきポイントは

鹿児島市は1日、高齢者施設で鹿児島県内7例目となる新たな感染者集団=クラスターが発生したと発表しました。このクラスター関連の感染者はこれまでに11人となっており、考えられる感染の経緯やリスク、注意すべきポイントを専門家に聞きました。

(済生会鹿児島病院 久保園高明院長)「(高齢者施設は)感染対策が難しい。非常に気をつけないといけない」

日本感染症学会が認定する専門医でもある、済生会鹿児島病院の久保園高明院長です。今回のクラスターは県内7例目、高齢者施設では3例目で、感染の広がりに警戒を強めています。

クラスターが発生したのは、鹿児島市の高齢者施設です。最初に感染がわかったのは先月28日で、利用者の80代女性でした。感染は施設以外にも広がり、2日までに施設の職員3人と利用者の高齢者6人、さらにその利用者の接触者1人とその同じ職場の同僚1人、あわせて11人の感染が確認されています。

感染すれば重症化するリスクの高い高齢者。済生会鹿児島病院の久保園高明院長は、高齢者施設の感染対策の難しさを指摘します。

(久保園高明院長)「多くは介護職員から高齢者にうつるが、マスクは大変だと思う。入浴の介助は暑く、耳が遠い人が多いので、(マスク着用で)飛沫が飛ばないよう気をつけるのが大切。高齢者は体力に余力ない上、(感染で)持病が悪くなる可能性がある」

また久保園院長は、高齢者と接する時以外も注意が必要といいます。

(久保園高明院長)「多くの事例で職員間、特に休憩室や食事中の感染が結構ある。マスク無しの状態ができるだけないように、外した時はしゃべらない」

一度発生すると多数の感染者が出るクラスター。気を緩めずに、マスクの着用と、手洗い、3つの密を防ぐといった基本的な感染対策を続けることが大切と話します。

(久保園高明院長)「全国的には感染者数は横ばいから微増。感染者が増えている限り、一時的に鹿児島で感染者が減っても、クラスターが発生する状況は続くと思う」

2日、県内では新たな感染者の発表はありませんでした。県によりますと、県内の感染者の累計は475人で、1日現在で7人が医療機関に入院中で、重症者はいません。