避難の注意点は?

きょうは避難をする際にどのような点に注意すればいいのか考えます。藤田記者の取材です。

鹿児島県内はきょうも梅雨前線の影響で大雨に。避難に関する情報も出され避難所が設置されたところもありました。

市町村が出す避難情報を5段階のレベルで示した「大雨警戒レベル」です。


速やかな避難を求めるレベル4は、これまで避難勧告と避難指示に分かれていましたが、きょうから「避難指示」に一本化。レベル5ではすでに災害が発生している可能性が極めて高いため、レベル4までに避難が必要になります。
また、高齢者や体が不自由な人など、避難に時間がかかる人はレベル3の「高齢者等避難」で避難する必要があります。


ただ、がけや川の近くなどリスクの高い地域に住む人は行政の避難情報が出ていなくても、自ら避難の判断をする必要があります。

去年の台風10号では暴風警報が出されていた阿久根市で77歳の女性が知人宅へ避難しようとして側溝に転落し、死亡したケースもありました。
どのタイミングで避難するのか、判断が難しいケースもあると県の防災アドバイザーは話します。

(県防災アドバイザー・堀之内広子さん)「避難をすること自体が危険な時は家に残るという手段も考えないといけない。夜の避難というのは非常に危険。」

5人が亡くなった2006年の県北部豪雨などの被災者支援に保健師として関わった経験もあり、県の防災アドバイザーを務める堀之内さん。
避難すべきタイミングや避難先は、家族構成や住む場所などによってそれぞれ異なるため、それぞれの家庭で事前に話し合っておく必要があるとします。

(堀之内さん)「自分のお家はどういう立地条件だったり構造だったり、同じ地域でも川沿いの家もあれば川から離れて高台の家もある。避難所の設備や環境、構造は一つずつ違います。そうすると洋式トイレしか使えない人が和式トイレしかない避難所に行っても生活ができないっていう問題も出る」

それでは堀之内さんが考える避難のポイントは?

(堀之内さん)「行政頼みというか(避難指示が)出たら行こうじゃなくて、うちはどうなんだろうって。ホテルや旅館、地域の指定避難所でない公民館、知人や親せきの家もあり、避難が多様化・分散化している。」

去年の台風10号の際には指定避難所に定員を上回る避難者が訪れたケースもあり、親戚や知人宅、ホテルなどに避難する「分散避難」の動きも広がりました。
行政による避難状況の把握や分散避難先での安全確保など、課題も残りますが、様々な選択肢を持って日ごろから避難について考えておくことが大切だといいます。

(堀之内さん)「避難所は小中学校の体育館や公民館で普段みれる状況にあるところが多いので中を歩いてみて確認を」

また、ライトや雨具、数日分の飲料や食料などを入れた「非常用の持ち出し袋」など、”避難後”を見据えた準備も大切になります。
特に、コロナ禍においては消毒液やペーパータオルなどを準備しておくことも大切だといいます。

(堀之内さん)「コロナ禍なのでタオル類も家族一人ひとり用の物を準備してほしい。もう一度自分たちで何をもっていけば安全に避難生活ができるか考える必要ある。」

ただ、コロナ禍だからといって避難をためらってはならず、いざという時には命を守ることが最優先になります。そのためにはどう行動すべきなのか、今一度、自分たちで考えてほしいと、堀之内さんは話します。

(堀之内さん)「各ご家庭で各個人で、どうしたら一番命を守る行動につながるかっていうのも考えていただく。あくまでも行政は広くサポートするという形になるので、個々のケースっていうのは難しかったりする場合もありますから、きちんと自分たちで考えていく」

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