鹿児島県内では、4人の新型コロナウイルスへの感染が新たに確認されました。クラスター以外の感染経路が特定できない感染者も増えていて、専門家は「油断できない状況」としています。
県と鹿児島市によりますと新たに感染が確認されたのは、鹿児島市に住む30代の女性1人と、志布志市の10代男性1人、10歳未満の男児1人、薩摩川内市の30代女性1人です。志布志市の2人は、クラスター関連の親族からの感染です。県内の感染者は累計で162人となりました。
県内では今月に入り、鹿児島市のショーパブで発生した集団感染=クラスターによる感染者が急増していますが、それ以外に感染経路が特定できない感染も増えています。今月1日から15日までに感染が確認された147人のうち、クラスター以外の感染者は33人いますが、13人は県外の訪問や感染者との接触が確認されず、感染経路が判明していません。
感染症が専門で済生会鹿児島病院の久保園高明院長は「クラスター関連よりも、感染経路が把握できない感染者が増えていることのほうが懸念される」と警鐘を鳴らした上で、「手洗いや、マスク着用、3密を防ぐなど感染予防を徹底して欲しい」と呼びかけています。
ところで鹿児島市は16日、重症と発表していた80代男性が、2回のPCR検査の結果、陰性で感染症の専門病棟から出たと発表しました。肺炎の症状もなくなり、県内で新型コロナによる重症者はゼロになりました。一方、男性の感染経路については特定できなかったとしています。