会は2019年に設立された。県立美術館設立を考え、新しい鹿児島県像を思い描く民間団体だ。これまでシンポジウムを開いたり、知事へ要望書を提出したりした。行政への協働も働きかけている。
「アートには、地域での新しい役割が期待されています」と、宮永会長は話す。
「アートは、地域の問題解決にも多く寄与できる可能性が高いのです。観光経済面では街の創出やブランディングやパッケージデザイン。福祉面では社会的包摂や多様性の受容など、その可能性は多岐にわたります」。
鹿児島の子どもたちが「本物の美術」を目にする機会を、もっと増やしたいという思いもある。そのための拠点づくりが急務だと考えている。
「生活の中でもっとアートが身近になれば、より良い鹿児島県での暮らしが見えてくるのではないでしょうか。次世代のために、一刻も早く県立美術館が設立できることを希望しています」
先ごろ、生命保険協会鹿児島県協会(中村俊一副会長:ジブラルタ生命保険鹿児島支社長)から、会へ10万円が寄付された。会の活動が、地域の教育や文化などの発展につながるというのが選定の理由だった。
「ご理解やご支援に感謝すると共に、この会の活動が一層広く周知されるよう頑張りたい」。
県立美術館設立に向けて弾みがついたと意気込む。