企画・特集

#1 解剖学者 養老孟司さん

昆虫採集が趣味の養老孟司さんにとって屋久島は、とても大切な場所です。養老さんの屋久島への思い、そして伝えたいメッセージとは・・・。

「僕ね、虫が好きなもんだから、屋久島っていうのは非常に昔からね、虫が面白いところだといことが分かっていたので、知ってたんですよね」

養老孟司さん(81)は神奈川県鎌倉市の出身です。東京大学の名誉教授で「バカの壁」や「からだの見方」など多数の本を執筆する一方、幼い頃から81歳になる現在までライフワークとして続けているのが昆虫採集と研究です。
先月、めずらしい虫を採集しに屋久島を訪れました。

「ゾウムシでね、屋久島でしか採れない、屋久島にしかいないっていうのがいて。ゾウムシって口が長いからゾウムシって名前がついてるんですね、一応鼻のつもりね。だけど私が調べているヒゲボソゾウムシって口が短いんですね。ところが屋久島のだけが長いんです」

養老さんは屋久島に5日間滞在して採集に挑みました。しかし、今回は目当てのゾウムシと出会うことはできませんでした。養老さんはまた次回、来ればいいと笑います。
80年近く続けてきた昆虫採集の中である人生哲学を学んだといいます。

「長い間それでやっているわけだから僕なんか70年やっていますから、80年。よく修行って言うじゃないですか、修行に近いね。一体自分は何をしているんだろうって、それは考えていくとどうやって生きているだろうって何で生きているんだろうっていうのがちゃんと繋がってくるんですよ。自分が色々な風に変わっていく、物がわかっていく、成熟する、そのためには結構同じ事をずっとやることが大事」

養老さんが求めるゾウムシは人里近くにすんでいるといわれます。養老さんは虫を求めて屋久島を歩くと日本の美しい原風景と出会うといいます。

「今でも本当に良いなと思うのは高い山はね歳だし登れないし、登れていないんだけれども、あの海岸近くにすごく良い林が残っている。川べりの照葉樹林ですけれどね、あぁいう樹林がね、本州に、日本の本土の南では昔こうだったに違いないという姿がきれいに残っているんですよ。
人って元々そういうものを見て育ってきたはずなんですよ、長い進化の間にね。人は森を見て生きてきたので、そうすると森の見方というのがもう、遺伝子の中に入っていると思うんですね。それに合ったものをみると嬉しいというか、気持ちが良いんです。良く美しいって言うでしょ、あの美しいっていう感覚どうして生まれたと思います?
だからさ、猫とか猿とかが美しいと思うかって話で。美しいってね、人間が自然の法則がそこに表現されているのをみて、それに我々の目はその中でずっと育っているわけですから、そうするとね、一番気持ちの良い状況を知っているんだと思います。その状況に近いほど美しいっていうんですよ、多分」

屋久島をはじめ日本には美しい自然が残る一方、多くの現代人はビルや街灯など人工物に囲まれて生活しています。養老さんは、便利な都会から離れ、自然の中に身をおく生き方も現代人には必要だと話します。

「あんなところ(都会)でどうやって子供を育てるわけ?おかしいでしょ。なぜかって子供は自然なんですよね、根本的に、何にもできない、何にも知らないでしょ、だから人工照明の下で一日置いたら世界って明るさ変わらないものだと思っちゃいますもん。それは意識で思うんじゃなくてもっと根本的なところでそう思う。それっておかしいんですよ
離島は結構多いですよ、移住する人。過疎地もね。ぜひ僕はそうしてほしいなと、子供たちのために思いますね。
結局僕らが幼少期に育ったのは、こういう環境なんですよ、今思えば。」

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