「依頼者の権利を守りベストを尽くす」
弁護士とは何かを聞くと微笑とともに、力強い言葉が返ってきた。
神川洋一さん、58歳。
この春、所属弁護士219名(内30名は女性弁護士)をまとめる鹿児島県弁護士会の会長に就任した。
鹿児島出身。
1994年司法試験合格。
東京で約3年間、弁護士として活動し、鹿児島に戻り,弁護士登録26年目になる。
民事、刑事とさまざまな案件を扱う弁護士だが、いわゆる「大崎事件」の再審請求事件に触れ、「立法論(法改正)になるが,あまりにも時間がかかり、関係者が高齢化し、何のための再審制度なのか?法改正が必要ではないか?」と疑問を口にする。
また、ウクライナへのロシアの軍事侵攻や新型コロナウイルス感染拡大による市民の暮らしへの影響にも心を痛める。
「新型コロナウイルス感染では、中学受験に合格した生徒の感染の事実が周囲に知れ、入学を断念したという残念なケースもあった」といい、偏見差別があってはならないと話す。
人権擁護と社会正義の実現が弁護士の使命。
依頼を受けて法律事務を行うことで依頼者の自由と権利を守る。
そして,弁護士は日常業務を誠実に処理することを通じて,社会秩序を維持し、死刑制度や再審制度といった法律制度に意見や提言を行い、社会正義を実現していく。
そのためにも「親しみやすい、利用しやすい、信頼できる弁護士会を目指したい」と抱負を語る。
一方で、法律家を目指し司法試験を受ける人が減っていることが気がかり。
「マスコミや法科大学院とも連携して法曹の魅力(法律家の魅力)についてPRしていきたい」と人材の確保にも力を入れていく考えだ。
県弁護士会では生活保護や交通事故、労働者などを対象にしたさまざまな法律相談を無料で開いている。
詳しくはホームページにアクセスを。