「グレープフルーツ」
店頭に1年中並んでいる「グレープフルーツ」、栽培地によって旬の時期が異なるのですが、実はこの4月~5月が私たちが口にしているほとんどのものが旬を迎えているんです。そもそもなぜ「グレープフルーツ」という名前なのか知っていますか。柑橘系ですが、「グレープ」フルーツ・・・きょうはグレープフルーツについてプロモートしていきます。
グレープフルーツとは
国内で販売されているグレープフルーツは、ほとんどがフロリダや南アフリカからの輸入品です。出荷の時期は、フロリダ産が11月~6月で、南アフリカ産は6月~11月頃です。日本への出荷量が最も多いフロリダ産の旬の時期がいまの4~5月なんだそうですよ。(2番目に多い南アフリカ産の旬は7~9月)さて、柑橘系の果物なのになぜ「グレープ…」という名前なのかというと、ぶどうの房ように1本の枝にたくさんの実を付けるからだそうです。実のなり方からこの名前となったんですね。また、1971年に、日本でグレープフルーツの輸入が自由化。今年2021年はグレープフルーツ輸入自由化50周年の記念すべき年でもあるんですよ。
グレープフルーツの歴史
18世紀に西インド諸島のバルバドス島で誕生したといわれています。ブンタン(ボンタン)とオレンジが自然交配してできた品種です。その後1823年(1830年という説も)にアメリカのフロリダに伝わり、栽培が行われるようになりました。大正時代初期になると日本にも伝来しましたが、日本の気候は栽培に向かず定着しませんでした。グレープフルーツがたくさん輸入されるようになったのは1970年代からです。日本では、静岡、熊本など限られた地域でのみ栽培されており、鹿児島では南さつま市、出水市などで栽培しているようです。
グレープフルーツの種類
・マーシュ(ホワイト):私たちがよく口にするグレープフルーツ。黄色い皮に果肉は白みがかった薄黄色。果汁が多く、さわやかな甘酸っぱさと、特有のほのかな苦みが特徴。
・ルビー(レッドブラッシュ):果肉がピンク色のため「ピンクグレープフルーツ」ともいわれています。ホワイトに比べて酸味は控えめで、まろやかな甘味が楽しめます。
・スタールビー:濃いオレンジ色の皮に濃いルビー色の果肉、ホワイトに比べ苦味が少なく、甘みが強く感じられる品種で、果物の専門店などで取り扱っています。
・スウィーティー:給食で出ると嬉しかったデザートのひとつでした。緑色の皮で果肉は薄い黄色、酸味が少なく、まろやかな甘みと爽やかな香りが特徴。こちらもグレープフルーツの仲間です。ブンタンとグレープフルーツをかけ合わせたフルーツで、イスラエルで栽培され、旬は11~2月。
・オロブランコ:アメリカ産のスウィーティー。アメリカ産ということ以外はスウィーティーと変わりありません。ちなみにスウィーティーはもともとアメリカで誕生した品種です。
このほか、ジュースやシャーベットに使われている「リオレッド」、こちらもブンタンとグレープフルーツかけ合わせた「メロゴールド」、ルビーよりも濃い赤色で甘味がしっかりする「フレーム」もあり、グレープフルーツといっても多くの品種があります。
そのままいただく以外にもゼリーやケーキなどのスイーツ、サラダに入れたり、大根と一緒に漬け物にしたりと食卓を華やかに彩る食材としても注目されています。昔は今よりも苦みが強く、半分に切ったものに砂糖をかけて(ギザギザのスプーンで)いただくことも。甘くなり、食べやすくなっているんですね。ただ、グレープフルーツなど柑橘類の中には同時に服用することで、薬によっては、薬の効きを悪くしたり、よくしすぎたりすることがありますので注意が必要ですね。
総務省の家計調査では、家庭でのグレープフルーツ消費量が激減しているのだそうです。家庭での支出額は、1999年のピークの5分の1にまで下がっています。ビタミンCや食物繊維が豊富で、苦み成分は食欲抑制効果や脂肪の分解も促進してくれますので、適量摂っていきたいですね。