【独占インタビュー】『鹿児島を日本で一番の県に』レブナイズ上原社長

バスケットボールB3リーグ・鹿児島レブナイズの代表にシーズン途中の去年12月に就任した上原泰寛社長(鹿児島市出身・38)。悲願のB2昇格はもちろん、バスケットボールを通して鹿児島を元気にしたいと考える上原社長に、今の思いを聞きました。

◆昨シーズン4位という成績で一気に盛り上がってきた印象ですが、シーズンを振り返っていかがですか?

私たちの中でB2を目指していた中での4位ということなので正直悔しい思いはあるんですが、元々今シーズンと来シーズンでB2に上がっていくという計画を立てていた中で言うと、しっかりと基盤を作れたシーズンだったのかなと思います。この基盤を基に来シーズン確実にB2に上がれるように動いてまいります。

◆シーズン途中で社長に就任されて、社長という立場になってからのシーズンはいかがでしたか?

その前までは一ファンとして勝った負けたで一喜一憂していたんですけれど、代表という役割になると、ブースターの皆様との関わりやチームとの関わり、社内の調整など今まで経験したことのないことばかりだったので、正直一瞬で終わったのがこの半年だったかなという感じです。

◆社長をやって良かったなということはありました?

県内で試合をする時に、鹿児島市内だけでなく例えば鹿屋、姶良、いちき串木野そして指宿などで、本当に鹿児島全土の方がレブナイズを応援してくださってるんだというのを肌で感じることができた時。さらに鹿児島のブースターの皆様って結構遠征にも来てくださるんですよね。場合によっては相手のブースターよりもちょっと多いんじゃないかって感じる時もあるんですけど、やっぱりレブナイズに対する強い愛情というか、応援する思いというのを直接感じた時に、なんて素晴らしいチームでこういったことをやらせていただいているんだろうというのを感じることができた時。やっぱりそこが楽しみというか、ひとつやりがいになっていた部分にもなりますね。

◆逆にレブナイズの社長業として大変だな、難しいなと思うところはありますか?

勝つことによって今シーズンいろんな新しいブースターが増えたところもありますし、注目していただいたところもあるので、やっぱりいかにして勝つか。ここがすごく大変というか。もちろんプレーするのは私ではなくて選手なので、どうすれば選手のパフォーマンスが上がるのか、こういったところを考えるのが難しさであり、大変な部分だったなと思います。

◆よく「勝敗はコントロールできないけど集客・イベントはコントロールできる」といわれますが、そういう部分もいろいろ工夫してますね。

ホームゲームでの会場装飾もそうですし、レブナイズトークンや新しいグッズなど本当にいろんな企画を打ちながら、そこに対してフロントスタッフが一丸となって取り組んだこともあって、この結果につながったんじゃないかなと見ています。もちろん選手にも感謝してますが、一方でフロントのメンバーがいたからこそ、この4位にもつながったんじゃないかなと思っています。

◆来シーズンは今シーズン以上にB2昇格に向けて一気に進んでいく、そんなシーズンになると思います。レノヴァが立ち上がってからずっと資金の部分で苦しんできたクラブですが、今どんな思いですか?

私たちがさらに上のカテゴリーに行くためには、今までのご支援はもちろんなんですがそれ以上のご支援が必要になってくるというのが現状です。ただ私たちとしてもただ支援をいただくだけじゃなくて、その分私たちが何かスポンサー企業様だったりブースター様だったり鹿児島に対して恩返しをしていく必要があります。支援していただく以上の恩返しができるように、しっかりとそこにコミットして動いていきたいと思います。

◆Wizがオーナー企業になってから『鹿児島のセンターピンに』というフレーズを当初から何度も聞いてますが、この先のビジョンは?

その『センターピン』であったり『鹿児島レブナイズ経済圏』を作っていくというのは変わらず持ち続けています。レブナイズが旗振りをしながら、いろんな企業様と企業様を繋げたり、企業様と新しい何か事業を立ち上げてそこで雇用が生まれたり、鹿児島に対して何か還元ができればと考えています。支えていただきながら、さらに皆さまを支えていけるような、鹿児島を支えていくようなそんなチームになっていきたいなと考えています。

◆B2昇格にはやはり資金が大事になってくると思います。先日、第三者割当増資などもありましたが、そういった部分は今どういう状況ですか?

レブナイズCEOの山崎と関わりのある企業様、鹿児島出身の方も含めて全国で活躍されている企業の代表の方が、そのような形で増資のお手伝いをしていただいております。ただそこだけに頼っていてはさらに上のカテゴリーというのは難しいので、そこはありながらもやっぱり私たちが既存のお客様だったり新規のお客様にいかにレブナイズの魅力を伝えて、共感していただけるかというのがすごく大事だと思いますので、そこはあらためて力を入れていきたいです。

◆増資に応じてくださった皆様は、レブナイズへの思いという面ではどのような感じですか?それともビジネスという観点から?

両方ですね。ビジネスの観点でしっかり見られた上で増資していただいているところもありますし、今シーズンの活躍は常に共有させていただいていたので、一ファンとして「レブナイズすごいよね」とおっしゃっていただいている方もいます。経営面と一ファンとして、この両軸で見ていただいています。

◆どんな期待の声がありますか?

「B2はまず間違いないよね」と。そこから私たちが掲げるB1、さらにその先は鹿児島を日本で、全国で一番にする、そういったところを本当にやっていこうねという声をいただいています。

◆B2昇格がかかる来シーズンに向けて運営会社としてはどんな思いでいますか?

まず目先で言えばシンプルにB2昇格を確実に勝ち取っていくこと。そこにともなって新しいブースター様の獲得もそうですけど、やっぱり今までのブースター様だったりスポンサー様に本当に楽しんで喜んでいただけるようなチームを作っていく。その先がおそらくB1につながっていって、”鹿児島を日本の中で一番の県にする”というところにつながると思いますので、まず目先の部分をしっかり勝ち取っていきながら中長期的に動いていきたいなと思います。

(聞き手:岡田祐介)

■上原泰寛 代表取締役社長 (鹿児島市出身・38)

東谷山小学校〜東谷山中学校〜鹿児島玉龍高校 出身

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