姶良が逆転で14回目の優勝! 県地区対抗女子駅伝
早春の霧島路を舞台に1月30日に行われた、第35回鹿児島県地区対抗女子駅伝競走大会。
2022年のレースは、最後の最後まで優勝の行方が分からない大接戦となりました。
県内12地区の女性ランナーが、6区間・21.0975キロでたすきをつなぐ、県地区対抗女子駅伝。
各チーム、スピードがあるエース級ランナーを起用する花の1区(4キロ)。集団から抜け出し先頭争いを繰り広げたのは、日置・肝属・出水・姶良の4チームでした。出身地区など各チームに分かれて出走した、去年の全国高校駅伝・3位入賞の神村学園勢3人に、実業団・鹿児島銀行に所属する肝属の倉岡が交じり激しい先頭争いに。そんな花の1区を制したのは、チームメイト・実業団選手を抑え、残り500メートルで先頭に立った、日置の田島愛梨。
そこに、肝属・出水と続き、4位の姶良までの差は、わずか15秒と、序盤は接戦の様相を呈します。
続く2区(3キロ)では、19年ぶりの優勝を目指す出水の久保亜美が、1キロ過ぎに日置をとらえ先頭に立ちます。その後方、1区6位と出遅れた、初の連覇を目指す前回女王・鹿児島の2区を任されたのは、今大会で競技の一線から退く、鹿児島銀行の小原諒子選手でした。その小原は、区間3位の走りで3人を抜き、チームを3位に押し上げると、最後は笑顔でたすき渡し。レース後には「13年間陸上を続けてきて、そのなかで出会った先生がたや仲間たち、家族などたくさんの人の顔が浮かびながら走れたので楽しかった」と語ってくれました。
続く3区(3キロ)・中学生区間では、出水・姶良が熾烈な先頭争いを繰り広げます。姶良の舞鶴中1年・橘のんが、初出場とは思えない堂々たる走りを見せれば、出水の高尾野中2年・冨満も1年生に負けじと意地を見せ、先頭を譲りません。両チームとも一歩も引かず、1秒差で最長4区に。
むかえた最長区間の4区(4.073キロ)。出水は、高校生以来、9大会ぶりの出走となる中原海鈴。一方の姶良は、高卒ルーキーの川上望華。実業団・京セラ所属の2人による、一騎打ちの先頭争いに。
その後方では、鹿児島・肝属・日置による3位争いも激しさを増します。3位争いから抜け出したのは、鹿屋体育大学4年で、卒業後は実業団・エディオンに進む、肝属の中島紗弥でした。いい走りをして地域の人たちに恩返しをしたいと語っていた、その言葉通りの快走を見せ、チームのAクラス復帰が見える位置まで押し上げます。その中島は、走り終えると、「走っている時はきつかったが、この大会に出られてよかったなと最後は感じた」と笑顔で話しました。
さらに後方では、2年連続最下位の曽於が健闘。Cクラス優勝も狙える8位で下井を折り返します。
注目の優勝争いは、5区(3キロ)で、出水中央高校3年の牧美颯が区間賞の走りを見せ、出水が一歩リード。
第5中継所の時点で、2位・姶良に44秒の差をつけ、19年ぶりの優勝に王手をかけます。
しかし、最終6区(4.0245キロ)。ドラマが待っていました。姶良のアンカーを任されたのは、京セラに所属し、今が伸び盛りの兼友良夏。先頭を走る出水の出水中央高校2年・西本穂乃香を猛追します。姶良は驚異的な追い上げを見せ、出水との差をみるみる縮めます。そのまま優勝の行方はトラック勝負にもつれますが…
結局、最後までスピードの落ちなかった姶良が、ラスト200メートルで出水を抜きフィニッシュ。
1時間9分55秒のタイムで14回目の優勝を果たし、去年4連覇を逃した悔しさを晴らしました。
その他の結果です。
最後まで熱戦を演じた出水は5秒差の2位。
Bクラス優勝は、去年の5位から3位に順位を上げた肝属。
Cクラス優勝は、2年連続の最下位から9位へ躍進した曽於でした。
また、区間賞はご覧の通りです。
【1区】田島愛梨(日置)12分56秒
【2区】野村優花(姶良) 9分48秒
【3区】橘のん (姶良) 9分52秒
【4区】中島紗弥(肝属)13分04秒
【5区】牧美颯 (出水)10分01秒
【6区】兼友良夏(姶良)13分06秒