増えた「会話」。 「熱況!ユナイテッド」取材コラム(5)

鹿児島ユナイテッドFCの「いま」を、お伝えしている「熱況!ユナイテッド」。
J2に昇格した2019シーズンは、取材担当アナウンサーの松木圭介が感じたことを、取材日記・コラムとして、ホームページ上でご紹介します。

(練習と練習の間に。)

最近、練習グラウンドに取材に行っていて、気付いたこと…そして、確信に変ったことがある。
それは・・・。

選手たちの会話が増えたこと。

これまでも無かったわけではないが、第6節の水戸戦が終わった後ぐらいからだ。開幕戦以来、白星の無いチームにとっては「得点力」が課題。それを克服するために、チームの指導陣はもちろん、選手たちも出来ることを考えていたのだ。

金鍾成監督は、あるホームゲームの後の会見で、こう話していた。

「選手たちは自分たちで話し合い、課題を解決しようとしています。」

その表れなのだろう。最近は、練習と練習のあいだの給水時間など選手が集まったときにはポジション別に、連携を取るメンバー別に集まり、どこか熱い口調でプレーに関する話をしている。ときには、手振り身振りを交えながら互いの意識を合わせようとしている。しかも「良いな」と思ったのは、いつも固定のメンバーが中心になるわけではなく、色々なメンバーが話の口火を切っていること。

「…の場面では、…して行くほうが、いいよね。」

ある選手が言った。
「どうすればいい?」ではなく、自分ができるプレーと他の選手との連携の観点から具体的なポイントを挙げ、問題を解決していく。そしてその言葉が、次の練習でのプレーに生かされる。
こうやって、チームが変っていくのだということを感じた。

開幕戦以来、7試合勝ち星が無く、6試合連続で得点が生まれていない鹿児島ユナイテッドFC。
それでも確実に、得点の香りがしてきた。一度ネットを揺らせば、大きく変るような気がする。

次の試合は4月14日に山口で行われる「薩長ダービー」。
JFL時代に共に戦った相手・レノファ山口は、一足早くJリーグへの階段を登り、先輩チームとして活躍している。チームの「成り立ち」が鹿児島と似ていることもあり、対戦を楽しみにしているサポーターも多いはずだ。
そんな注目される試合で、「会話」の力が形になることを、信じて。

花散らしの雨風にも耐えた桜が咲く、鹿児島市の県立サッカー・ラグビー場で。 松木圭介

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