スポーツの魅力を語る!伝える! 鹿屋体大でプロジェクト実施
9月26日、鹿屋体育大学の野球場で行われた「鹿児島県大学野球 秋季リーグ戦」の最終戦。
2勝1敗同士の鹿屋体育大学と鹿児島国際大学の「事実上の決勝戦」であり、「秋の神宮大会」につながる試合を熱く伝えた…「実況」したのは、なんと!鹿屋体育大学の大学生たちでした!
この日を目標に、2021年8月中旬から行われたこのプロジェクトについて、鹿屋体育大学の参加者からリポートが届きましたのでご紹介します。
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『スポーツをカタルガ!〜語るスポーツ養成プロジェクト〜』に参加した、鹿屋体育大学スポーツ総合課程1年で硬式野球部に所属している堀昂太郎です。
今回のプロジェクトは、スポーツ庁事業「大学スポーツ資源を活用した地域活性化拠点形成」の一環として、鹿屋体育大学スポーツアライアンス室がスタートしたBlue Winds(ブルーウィンズ)プロジェクトの1つで、鹿屋体育大学を中心に「大学スポーツ」を通して「地域のスポーツ」を盛り上げるための取り組みでした。
近年、スポーツはテレビ中継だけでなく、様々な形で見られるようになり「みるスポーツ」も盛んになっています。そんな中でも、選手のプレーや試合の流れを伝えるアナウンサーや解説者の言葉は、様々な観戦者にとって重要な情報源となり続けています。そこで、スポーツの魅力や価値を「語る」「伝える」ことができる人材の育成を目的として、実践プロジェクト型セミナーが企画されました。
最終的には、得た知識や技術を生かし、実際に鹿屋体育大学硬式野球部の試合を実況をするという目標のもとで、合計7回のオンライン講義が行なわれ、私も参加しました。
私はスポーツに関わる仕事に就きたいと考えていて、何か将来に活かされるものがあるのではないかと思い、この企画に参加しました。
実際の講義では、「実況」と「解説」の違いについてMBCの松木アナウンサーに教えていただきました。私は、普段の生活の中での野球の勉強として、プロ野球などの実況中継を聴くことがありますが、それは実況と解説の2つがあることでわかりやすくなっていることを知りました。「実況」があることで目の前で起きていることがわかり、「解説」があることでさらに細かくそのプレーについて知ることができると知りました。「解説」を聞くと、各選手のプレースタイルや人柄、その試合にかける思いなども知ることができます。
その「解説」をするために必要な資料を作成するには、取材し、情報を集めなければなりません。今回のプロジェクトでは、競技の専門の方だけでなく、様々な方に興味を持ってもらうために、各選手のバックグラウンドやストーリーを大切にしようという話になりました。そこで私は野球部の様々な選手を取材しました。すると鹿屋体育大学硬式野球部の一つの特徴を発見しました。
リーグ戦というのは、当然、鹿児島の中でチームの順位がつきます。また、個人賞として最優秀選手や首位打者などがあります。私は、各選手に意気込みを聞いていく中で、個人的な目標が多いかなと予想していましたが、実際は正反対でした。「5季連続優勝」や「全勝優勝」と答える選手がほとんどで、取材を通して、「チームが同じ方向を向いている」、「それぞれがチームのためにできることを考えて行動している」というチームの特徴を発見することができました。また、今大会は4年生の現役選手にとって最後の大会になります。4年生からは「監督含むチームへの感謝の気持ちや最高の環境を最大限生かして成長してほしい」という後輩へのメッセージがありました。最後だからこそ、他の選手とは違う、大会への熱い思いを取材することができました。この点は、私が強く伝えたいと思う部分になりました。
準備してきたことを実践する日は、鹿屋体育大学として創部初の全国大会出場をかけた「九州地区大学野球連盟 南部ブロック鹿児島予選」の最終日で、事実上の優勝決定戦の試合を解説することとなりました。私は、当日ベンチ入りし試合に出場することになった為、解説することはできませんでしたが、一緒にプロジェクトに参加していたメンバーの声をお届けします。
鹿屋体育大学スポーツ総合課程2年でサッカー部に所属している北遥希さんからは「話すこと、伝えることの難しさを感じた」という話がありました。
その中でも、「たくさんの方に鹿屋体育大学硬式野球部を好きになってもらうために精一杯頑張った」という話がありました。また、解説を担当する中で「バッターが堀のときに『どんなことを期待したいか』という松木アナの問いに対して『過去の試合で、堀は長打を打っているので、ここでも期待したい』と話したところ、実際に長打を放った。実況の面白さの1つである「予想していたことが起こる」ということを体験し、取材が活きたことを実感した」という話もありました。
また、鹿屋体育大学スポーツ総合課程1年で硬式野球部に所属している角田陸瑛さんからは、「逆にもっと取材しておけばよかった。解説をする中で、楽しさと伝えることの難しさの両面を感じた。」という感想をもらいました。
最後に、私がこの企画を通して感じたことをお伝えします。
「スポーツの魅力」は、1つの大会や試合、そして出場するチームや選手によっても異なり、十人十色の思いがあるということです。そのために普段から努力していたり、チームメイトとコミュニケーションをとっていたりしています。そこにはやはり思いがあり、その思いの強さこそが「スポーツの魅力」であり、それを伝えることが実況や解説の役割なのだと感じました。今回のセミナーにおいて、私の役割は、主に取材をすることでしたが、各選手の思いを深掘りしていこうと考えると、なかなか難しかったです。そんな取材内容も、実況や解説では全て使われるわけではなく、一握りです。それでも「スポーツの魅力」の1つである「各選手の思い」を伝えるために、取材を通して「思い」を聞くことは大切だと思いました。
今後、またこのような機会があれば、今回の経験を活かし、さらに選手の思いを伝えられるように工夫して、スポーツの魅力を伝えていきたいと思います。
2021年9月27日 堀昂太郎
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なお鹿屋体育大学では、今回はコロナ禍のため、感染拡大を警戒し参加者を募集しましたが、今後はこの事業をモデルケースとして、他の種目、各地域にも広げ、大学スポーツの魅力を広めていきたいとしています。