薩摩の教え

薩摩琵琶①

明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週は、郷中教育の中で伝えられてきた天吹てんぷくについてお伝えしています。
今日は、天吹てんぷくと並び、もう一つの薩摩武士のたしなみとされた薩摩琵琶さつまびわについてお話しします。

 

薩摩琵琶さつまびわの起源は、鎌倉時代。源頼朝の命を受けて薩摩・大隅・日向の守護職についた島津忠久ただひさに伴って下向し、伊作常楽院いざくじょうらくいんを開いた宝山検校ほうざんけんぎょうが演奏した盲僧琵琶もうそうびわがその起源と伝えられています。

その後、戦国の世に入ると島津忠良ただよし、のちの日新公じっしんこうと当時の常楽院住職によって琵琶の改造が行われ、宗教的な用途以外に、青少年の教育や士気の鼓舞などのために活用されるようになったと言われます。
勇壮な演奏法も編み出され、バチで胴を叩きつけて戦や風の音を表現する「崩れ」といわれる弾奏法も行われるようになりました。

幕末までは薩摩だけで演奏される、いわば郷土の楽器でしたが、明治維新をきっかけとして多くの薩摩人が活躍するにつれ、全国的に知名度が上がり、「薩摩琵琶さつまびわ」という名称で呼ばれるようになったのです。

薩摩琵琶龍洋会りゅうようかい 共研舎道場主宰の上川路直光かみかわじなおみつさんによると、薩摩琵琶は明治天皇にも好まれたことから、戦前までは非常にステータスの高いものとして人気を博していました。戦争によって廃れたものの、戦後復活し、昭和37年、県の無形文化財に指定され、現在も、活動が続けられています。

 

明日も引き続き、薩摩武士のたしなみであった薩摩琵琶についてお伝えします。

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