薩摩の教え

天吹③

昨日の放送では、薩摩の武士が、自顕流じげんりゅうなどの武道とともに身につけた天吹てんぷくについてお伝えしました。

コサンダケに孔を開けて手作りしたシンプルな竹笛は、シンプルだからこそ奥が深く、自顕流に通じる腹力、呼吸法、集中力など心身の充実も必要な音楽です。
ですが、作り手によって楽器の音もさまざまで、画一的でないところが、薩摩のおおらかな精神性を感じさせてくれるようです。奏者自身、竹を切り出し、楽器を手作りするところから始める、というのも質実剛健で素朴な薩摩武士らしさを感じさせますね。

 

放送でお聞きいただいた楽曲は「シラベ」。演奏は、共研舎の野太刀自顕流研修会 副道場長、柚木盛吾ゆのきせいごさんです。

現在まで伝承されている楽曲は、この「シラベ」のほか「アノヤマ」「テンノシヤマ」など、歌曲と稚児歌をもとにした7曲ということです。天吹同好会は現在も毎週練習会を開催し、音源をCDにおこし、また解説本を出版するなど、伝統文化を後世に残す活動を続けています。

天吹を自分のものにするには、まさに自顕流に通じる腹力と集中力、継続力、平常心などが必要とされますが、これは、薩摩の武士のもうひとつのたしなみであった薩摩琵琶にも相通ずるものだそうです。

 

明日は、その薩摩の武士のたしなみであった薩摩琵琶についてお伝えします。
天吹の音色は、ぜひ「ラジコ」で聞いてお楽しみください。

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