明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さんと共に学んでいるこの番組。今週は、鹿児島市上之園町の共研舎で行われている野太刀自顕流についてのお話をお送りしてきました。
かつて野太刀自顕流は、郷中の自主教育機関であった「舎」ごとに稽古が行われていました。
勇猛果敢なジゲン流と薩摩言葉などによって荒々しいイメージがつきものの薩摩武士ですが、一方では、天吹、薩摩琵琶など、雅な芸能も武士のたしなみとして重んじられていたそうです。
(道場長 伊東丞士さん)「昔の薩摩武士のたしなみで、自顕流、天吹、薩摩琵琶というのが3点セット。自顕流があらあらしいので、たぶん荒んでいくと思うんですよね。そこで天吹のやさしい音色とか、薩摩琵琶。戦記物とか恋歌、端唄とかいろいろな歌があるので、それで心を落ち着かせたりとか。それで、心を穏やかにする。
鹿児島の人は荒々しいというイメージがあると思うんだけど、実際はそうではなくて、ものすごく繊細な部分もあるので、そこを鹿児島の人たちにも知ってもらいたいと思います」
共研舎では、現在も、野太刀自顕流のほか天吹、薩摩琵琶の稽古も、毎週行われています。
鹿児島市外のほか、関西や北海道から定期的に自顕流の修行に来る方もおられるそうです。
(副道場長 柚木盛吾さん)「興味がある、どんなもんだろうか、という興味を持たれる方は、きていただければありがたいです。共研舎で練習する自顕流、天吹、薩摩琵琶があるんですけど、その関係の中から舎の人間が育っていけばいいのかなと思います」
共研舎では、男女・年代を問わず、活動への参加を歓迎しているそうです。
それでは、来週は、薩摩の武士のたしなみであった天吹と薩摩琵琶について、共研舎での活動を交えながらお伝えします。