今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。
郷中の組織は、年齢別に「小稚児」、「長稚児」、「二才」、「長老」に分けられます。
先週から、6・7才から10才までの小稚児の遊びをご紹介していますが、今朝も昨日に続いて、明治2年ごろ、伊地知峻さんが記した『薩藩年中行事』から「馬追い遊び」をご紹介します。
馬追いは『吉野の原に放牧してある馬の中から二才馬だけを離して取る行事で、藩庁からはお厩の役員 御城下から有志総数二・三百人が馬に乗り 吉野牧場に勢揃いします。
この1隊は、まるで鶴が翼を広げた様に横一列となり、谷山・吉田・加治木などの地方から集まった侍達は、各々、旗を立てて一斉に前に進む。
つまり、放牧してある馬全部を囲み、下の方に準備してある1辺が100メートルほどの大きなオリの中に二才馬を追い込むのである。
青々と広がった初夏の吉野平野で、何百と言う馬に乗った侍や近郊近在から集まった徒歩隊が旗指物を押し立てて、何千頭にものぼる馬をオリの中へ追い込むのだから、まるで戦争のようで、この馬追いを見物に訪れた群衆が何万とも知れず、なかなかの賑わいであった・・・』
と記されています。
全ての馬をオリに追い込み、その中から父馬だけを追い出す。
つまり、親馬・仔馬が押し合い、へし合いしている中で、馬の仲買商人たちが、馬の背から背を乗り越え、父馬を探してタテガミにすがり、柵から追い出す光景は、まるで戦場のようであった。
詳しくは、また・・・
では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日ごわんそ!