薩摩の教え

郷中教育4

今週から、薩摩の青少年の教育機関「郷中教育」をご紹介しています。

昨日お伝えしましたが、鹿児島大学の名誉教授も勤められた北川鉄三きたがわてつぞうさんの論文の中に、新しい言葉がありましたねぇ。
あらためて、そのパートを読んでみます。

『武士階級の青少年達が各郷かくごう、即ち、各方限ほうぎりを単位にして云々うんぬん』とありましたが、新しい言葉とは、「方限ほうぎり」です。

この方限ほうぎりという言葉、どの辞書・辞典にも見当たりません。
サツマ独特の言葉のようで、方限ほうぎりの「方」は、方角の「方」。その意味は、「中心から四方に伸びた土地のこと」です。

方限ほうぎりの「ぎり」は、限度・限界の「限」と書きますので、区切りという意味です。
従って方限ほうぎりとは、「区切りのある土地・地方のこと」を指します。
広さで見れば、郷中の方が広い土地、広い地域を表わし、方限ほうぎりは、その郷中の中の小さな区域と解釈されます。


郷中と方限ほうぎり ―  実際の土地の名称を使って区分けしてみましょう。
例えば、鹿児島を例にします。

郷中は、鹿児島市全域。
方限ほうぎりは、鹿児島市を上方限かみほうぎり下方限しもほうぎりの二つに分け、更に上方限かみほうぎりには、清水馬場しみずばば冷水ひやみず
下方限しもほうぎりは、新屋敷・高麗が存在するといった具合です。
詳しくは、また次の機会に。

それでは、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。
また明日。毎日めにっごわんそ!

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