いろは歌

いろは歌「や」(29番目の歌)

今日は、いろは歌の29番目の「や」の歌をご紹介します。

やはらぐと いかるをいはば 弓と筆 鳥に二つの 翼とを知れ

まず、言葉の意味から。

  • 「やはらぐ」とは、穏やか。
  • 「いはば」とは、「例えれば」という意味です。
  • 「弓と筆」とは、文武両道の「文武」のこと。

さて、みなさん、お気づきでしょうか?

この「や」の歌は、二つの言葉が対比・対照的に詠まれています。
つまり「やはらぐ」と「いかり」。これは即ち「寛容」と「怒り」です。
「弓と筆」とは「文」と「武」。即ち「文武両道」のことです。

やはらぐと いかるをいはば 弓と筆 鳥に二つの 翼とを知れ

歌の意味です。

人は、他人にあまり優しすぎたり、丁寧にしすぎたりすると、下の者からあなどられやすい。反対に厳しく接すると、影で悪口を言われたり、悪いことをされるものだ。
侍や武士が、二つの道「文武両道」に通じていなければならないように、また、鳥には二つの翼があるように、「優しさ」と「厳しさ」は、二つとも大切で、片寄らないようにすることが、上に立った者に必要な心構えだと歌っています。

やはらぐと いかるをいはば 弓と筆 鳥に二つの 翼とを知れ

上に立つ人に対しての教訓を歌ったのが、いろは歌の「や」の歌です。
では、今日も、鹿児島のこの言葉でお別れしましょう。また明日。毎日めにっごわんそ!

いろは歌「く」(28番目の歌)前のページ

いろは歌「ま」(30番目の歌)次のページ

関連記事

  1. 夏休みこども企画

    夏休みこども企画「夏休み親子歴史教室」①

    夏休みこども企画、今週は鹿児島市の西郷南洲顕彰館で行われた「夏休み親子…

  2. 薩摩の教え

    武術の教え

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  3. 薩摩の教え

    郷中教育42

    今週も薩摩の青少年教育「郷中教育」についてご紹介しています。郷中の組…

  4. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第6条「一芸に秀でた人材の活用法」

    明治維新から150年の今年、維新の力を生んだ「薩摩の教え」を改めて皆さ…

  5. 薩摩の教え

    西郷南洲遺訓 第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも立たない」前半

    今日は、「西郷南洲遺訓」の第36条「書物の上だけの知識ではなんの役にも…

  6. 薩摩の教え

    斉彬のすごさとは~加来耕三さんのお話⑤

    今週は西郷南洲遺訓の紹介をお休みして、歴史家の加来耕三さんのインタビュ…

PAGE TOP