薩摩の教え

松ケ岡の開墾にまつわる話~菅秀二さんのお話⑤

今週は、西郷南洲遺訓を作った旧庄内藩にゆかりのある菅秀二さんにお話伺っていますが、今日は、昨日のお話にも出てきた「松ケ岡の開墾」についておききしました。


(菅さん)「当時の生糸産業、そしてお茶産業が日本の輸出の7割くらいを占めている…という話を西郷さんから聞いた実秀は、廃藩置県で失業する士族を使って開墾をして、外貨を稼ぐ産業を興そうではないかという考えの下(やや乱暴な考えではあったが)、それに綿密な計画を入れて、西郷に話をした。西郷も、是非やってくれ(日本の国のためにもなるのだから…)ということで、政府の官有地を払い下げてくれた。
そして開墾が終わり、蚕を飼って、生糸までいくと、今度は生糸産業が一番盛んな上州の島村という所の人を、西郷さんから紹介してくれた。そして、いよいよ製糸の段階になると、富岡製糸場に社員を5~6名研修に行かせ、向こうからも優秀な社員を借りてくる…というような、いろんな配慮を(西郷から)してもらっている。。。」

 

(菅さん)「西郷さんからは、その開墾の人たちに対する激励の漢詩もいただいている。それは、
気節凌霜天地知。意味は、『気候に負けずに粘り強く頑張ってください…必ずお天道様は皆の努力を知っているから、自信をもってがんばってください…』というような激励の言葉。
太字で横書きの書。西郷さんのお人柄や文学的なセンスを感じる。文人としても素晴らしい。
西郷さんは、絶えず庄内の開墾状態については援助をし、精神的な支えになってくれた、、、という証。」


来週もお楽しみに。

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