彫刻家・田原迫華さん「初めてなのに懐かしい作品」

 

今月26日まで開催されている『大隅アートライブ~カミは“すみ”に宿る~』に作品を出展している

彫刻家の田原迫 華さんにお話をうかがった。

田原迫さんが彫刻の世界に出会ったのは23年前。松陽高校の美術科に進んだ時だ。

はじめは、マンガやイラストに興味があったが、彫刻という分野に足を踏み入れていた。

 

皆さんも田原迫さんの作品を目にしたことがあるのではないだろうか。

それは、指宿市のJR薩摩今和泉駅から海沿いに、今和泉小学校を目指すと見えてくる『天璋院篤姫の幼少期の像』である。

 

指宿は篤姫が幼少時代を過ごした地といわれており、2011年、当時、指宿商業高校に勤務していた田原迫さんにモニュメント作成の依頼があった。

7~8歳の篤姫【幼名:於一】の像は、身長120センチほどで、あどけない表情の中にもキリッとした目もとが印象的である。

 

そんな田原迫さんが『大隅アートライブ展』に出展している作品は、“かのやばら園ガラスハウス”で見ることができる。

テーマは≪いつか見た秘密の花園≫・・・薔薇の香りに誘われてやってきた秘密の花園で、はじめて逢うのに、なぜか懐かしい面影の少女たちと出会える。

空間に溶け込みながらも存在感のある、石膏で作られた白い像と鮮やかなバラのコラボレーションが見事だ。

生命力を感じる作品は、一体(いったい)ではなく一人(ひとり)と呼んでしまうほど。

 

田原迫さんが作品づくりをする上で、自分に課していることは、『プレーンな表情の創造』。

それは、無表情ということではなく、見る人の感じ方で表情が出来上がるというものだ。

時に、幸せに酔いしれているように見えたり、悲しみ悶えているように見えたり・・・・

田原迫さんは、『誰でもないのに誰でもある。初めて逢うのに懐かしい』を追及している。

作品を通して、過去の自分や未来の自分、夢で出会った誰かに逢えるかもしれない。

 

 

11月10日10時40分ごろ放送 「海童が行く」より

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