『音楽業界から福祉の世界へ。ふるさと出水で感謝の35年。』
鹿児島県社会就労センター協議会の皆さんにお話をうかがった1週間。
出水市にある「障害者支援センターいずみ園」の副園長、河野文昭さんが登場。
「いずみ園」は、知的障害者の就労機会を提供する施設として、1983年4月に開設。
いま54人が、木工品制作や花や野菜の苗を作っている。
公園の清掃や、車の部品を入れる化粧箱の組み立て作業も委託されている。
季節のものの生産も手掛け、12月は門松やしめ縄づくりに忙しかったという。
開設当初から携わっている河野さんは、勤続35年。
以前は、静岡県浜松市で、日本楽器製造株式会社(現在のヤマハ)で9年ほど働き、
楽器や音響機器、車やバイクのエンジンなどの品質保証に関わる仕事をしてきた。
また、ヤマハミュージックフェスティバルの企画などにも携わっていた。
故郷の出水市に帰ってくるきっかけになったのは父からの一言。
当時、障害者支援に携わっていた父親が、小さな作業所を立ち上げたとき、
ボランティア指導員として帰ってくるよういわれた。
福祉の世界に初めて足を踏み入れ、試行錯誤の毎日だったが、
いずみ園が開設してからは職員として、福祉の勉強に力を入れた。
施設の利用者やその家族、たくさんの人たちの支えがあったからこそ、今があると話す。
利用者が安心して働け、学べる環境づくりを目指してきた。以来、35年。
河野さんの現在の目標は『生涯現役』だ。
「支えてくれた人たちへの感謝を忘れず、福祉の仕事に取り組んでいきたい」
優しい語り口。そして言葉には力強さを感じた。
1月26日10時40分ごろ放送「たんぽぽ倶楽部」 海童が行く より)