妖しくも美しい驚きの世界~ルドルフ2世の驚異の世界展

その絵は一体、何で何を描いているのか、思わず見入ってしまう・・・。

『神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展』について

福岡市博物館の高山英朗さんにうかがった。

 

ルドルフ2世は、オーストリア・ハプスブルク家の出身で、16世紀末から17世紀初頭にかけて神聖ローマ帝国皇帝だった人物だ。

政治よりも学問や芸術に深い関心を持ち、学者や芸術家たちを宮廷に集め活動させた。

また、世界各地から絵画や工芸品、動植物などを収集し、

「驚異の部屋」と呼ばれる部屋などに、膨大なコレクションを飾った。

宮廷の中に植物園や動物園があったというから本当に驚きだ。

 

そんなルドルフ2世の顔を、果物や野菜などの色とりどりの植物の絵で描いているのが、

今回の展覧会のポスターだ。

ローマ神話に登場する四季を司る神【ウェルトゥムヌス】の姿で描かれていることで、ルドルフ2世の威厳や権力の大きさを表している。

ジュゼッペ・アルチンボルド 《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》 1591 年、油彩・板、スコークロステル城、スウェーデン Skokloster Castle, Sweden

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

他にも、ギリシャ神話の英雄【オルフェス】が奏でる竪琴の音色に耳を澄ませる動物たちの中に、当時ヨーロッパにいるはずのないライオンやダチョウが描かれている絵がある。

これらの動物たちは、ルドルフ2世の動物園にいたのではないかと考えられている。

 

占星術や錬金術にも造詣が深かったというから、魔術的な魅力の芸術や科学の数々も楽しめる。

驚きに満ちた「妖しくも美しい芸術と文化の世界」にぜひ迷い込んでもらいたい。

福岡市博物館にて12月24日まで開催。月曜休館日。

(詳細は福岡市博物館ホームページに掲載)

 

 

11月24日11時40分ごろ放送 「たんぽぽ倶楽部」 たんぽぽお出かけ隊より

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