新型コロナワクチンの疑問に答える「ワクチンQ&A」です。政府は東京など3府県への「まん延防止等重点措置」拡大を決めるなど、”第4波”ともいわれる全国的な感染拡大が続いています。
その要因ではないかといわれているのが、従来より感染力が強いとみられる変異ウイルスの存在です。ワクチンは変異ウイルスにも効くのか?感染症が専門の鹿児島大学大学院の西順一郎教授に聞きました。
【疑問1】そもそも変異ウイルスって?
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「スパイクたんぱく質という人の細胞に結合するのに、非常に重要なたんぱく質の一部に変異が起きたもの」「感染のしやすさが30%から70%増えると言われている」「私たちの免疫を逃れる作用を持った変異がある」
【疑問2】ワクチンは変異ウイルスに効くの?
(西順一郎教授)「今、最も鹿児島でも見られているイギリス型の変異ウイルスに対しては、ほとんど効果が落ちることはなくて、ワクチンの効果が見られている。ただ、南アフリカ株には、抗体がくっつく力が3分の1ぐらい落ちたり、ワクチンの効果が落ちるかもしれないことが言われている。」
【疑問3】ワクチンを接種しても新しい変異が出たらまた接種必要?
(西順一郎教授)「ワクチンを接種しても、かかる人が増えてくるようなことがわかれば、もう1回ワクチンを作り直すことが必要だと思うが」「遺伝子を少し変異ウイルスに合わせて作り変えればできるから、だいたい2~3か月ぐらいで、新しいワクチンが製造できると言われている。」
【疑問4】ワクチンを打った後に変異ウイルスにかかったら、重症化しない?
(西順一郎教授)「当初、そういうことも心配されていたが、ワクチンを接種した人の中に、逆に重症化する人は、今のところほとんど見られていない」「長期的な観察は必要だが、今のところはそういう心配は大丈夫ではないかと思う」