霧島市の学校での宿泊行事クラスターでは、過去2番目に多い59人の感染が確認されました。鹿児島県内でも修学旅行などが多く計画されている時期でもありますが、専門家は「無理な制限より、感染を大人数に広げない工夫が必要」と話します。
クラスターが確認されたのは、霧島市の学校で先月下旬に行われた宿泊行事で、6月1日までにひとつの学年の生徒56人と教職員3人のあわせて59人の感染が確認されています。
県によりますと、移動中のマスク着用や食事の際にひとつのテーブルを6人までに制限するなどの対策はとられていましたが、黙食や宿泊施設内の個室などでのマスク着用が不十分だったということです。
霧島市教育委員会は、クラスターの発生を受けて2日朝、市内すべての公立小中学校と高校に感染対策を徹底するようメールで通知。県内では、梅雨前のこの時期に修学旅行が計画されている学校も多く、県も改めて注意を呼びかけました。
(県くらし保健福祉部 伊地知芳浩次長)「修学旅行に参加する際は、体調管理をしたうえで参加するのが前提。移動時、黙食など密になるような場面ではマスクを着用して頂きたい」
一方、感染症が専門の鹿児島大学大学院・西順一郎教授は、
「楽しくコミュニケーションをとる場でもある宿泊行事で、子どもたちの会話を制限するのは限界がある。また、マスクをしていても同じ部屋で長時間話せば、感染する場合もある」
「数人の感染者が出るのはやむを得ず、それを大人数の集団感染につなげないことが重要。
出発1週間前からの健康観察や、できるだけ同じメンバーで行動すること、バスや1部屋あたりの人数を少なくしたり、時間を分けて食事をしたりする工夫が必要」としています。