鹿児島県内でも進められている3回目のコロナワクチン接種。副反応が軽いとして、モデルナ社製よりファイザー社製を選ぶ人が多い傾向にあると言いますが、専門家は「副反応が強い分、免疫効果も期待できる」と話し、早めに接種することが予防につながると呼びかけます。
(鹿児島大学大学院 西順一郎教授)「モデルナの方が免疫を刺激する力が強い分だけ、高い熱が出ると言える」
今月18日、厚生労働省は、ワクチン接種で3回目にモデルナを接種した場合、3回ともファイザーを接種するよりも抗体の量が1.5倍多くなるとの調査結果を明らかにしました。一方、発熱や倦怠感、頭痛といった副反応は、3回目にモデルナを打った人の方が割合が高かったということです。
感染症が専門の鹿児島大学大学院の西順一郎教授は、ワクチン接種の副反応は、ファイザーに比べ、モデルナの方がやや強い傾向にあるものの、免疫を高める効果はモデルナの方が期待できると話します。
(西教授)「37.5度以上に発熱する人が、ファイザーの3回目だと約39%、モデルナだと約68%の人が発熱する。モデルナの方が発熱する頻度は高い。2回接種して感染するブレークスルー感染する患者の割合が、モデルナの方が少ない。免疫の持続もあると言われている。モデルナのワクチンは副反応がやや強い分だけ、効果も免疫を誘導する力も強い」
第6波の感染拡大の原因となっているオミクロン株は、重症化しにくいと言われていますが、今月、県内で亡くなった人は40人を超え、これまでに亡くなった人の合計の35%以上です。
軽症でも命の危険につながる高齢者には1回目、2回目の接種と異なるワクチンの場合でも、接種可能なワクチンを早く接種することが大切と話します。
(西教授)「高齢の死亡者が全国や県内で多いが、これはオミクロン株で直接、死亡したのではなく、基礎疾患があったり寝たきりで状態が悪い人が、死亡している例が多いから。特に高齢者は3回目接種を急いだ方がいい。手に入りやすいのはモデルナしかないので、ファイザー製を待つ必要はない。早く接種したほうが利益が大きい」
また、ワクチンを3回接種しても発症を完全に防ぐことは難しいとして、違和感を感じたらマスクを着用し外出を控えるなど、基本的な対策を続けて欲しいと呼びかけます。
(西教授)「ワクチンを3回接種したから、大丈夫ということではない。マスクを必要なときは使って、症状が出たら人と会うことを避ける。出勤しない、登校しない、発熱だけではなく、のどの違和感や風邪の症状が出たら外に出ないことをお願いしたい」